さま〜

 いつものバス停にて――


「う〜ん……あつい……」

イブキがダラしなく舌を出したまま、そんなふうに呻く。


「ちょっとダラしないわよ」

と、諌める月夜に、


「だってあついんだモン!」

そう言いながら自分の学生カバンの中をがさごそと漁りはじめる。


「そんな格好、男子に見られたら100年の恋も冷めちゃうぞ」


「う〜……」

イブキはネイルを乾かすための小型の扇風機風を風を顔に当てながら、


「いいもん〜。ビ〜チやプ〜ルでイブキさんのミリョクでバンカイするモン!」


「……アンタの水着姿でさらに失望するんじゃない?」

と、思ったケド、口にはしない月夜だった。

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