れ~のアレ。

 いつものバス停にて――


「おぉ! こ、これは――!」

 イブキがいつもの如何わしい情報サイトで出所も効果もあやしげな情報を見ながら、驚嘆の声を上げる。


「月夜! 月夜!! これみてよっ!!! これ!!! オトコのヒトにモテモテになるセクシ~なふくなんだてェェ!!!!」

 イブキがテンションマックスのまま掲げたスマホ画面に映っていたのは――?


「……いや……これって……服……ってゆ~か……」

 月夜も女の子。モテモテとかセクシ~とかという装飾語の付いた服に興味がないワケじゃない。ただそれを一瞥した瞬間に興味の表情は呆れの表情に変化した。


「いや、これてタダのスク~ル水着じゃん!?」

 月夜がその画像をみるなり、呆れ顔でそう言い放った。


「ふふり。イッケそ~みえるケドね――」

 イブキが月夜の言葉を一笑も伏すと、


「このスクミズは――フロントジッパ~なんだよっ!」


「ふ~ん……それで?」


「それでって――フロントにファスナ~ついてんだよっ! ムネのトコについんでだよっ!! セクシ~じゃん!!! ノ~サツなんだよっ!!!!」


「う~ん……でも、イブキが着るとさぁ……その……えっと……」


「な、なによっ!?」


「残念な気がする」


「ガ~ン!」

 一部で流行ってるフロントジッパ~の競泳水着――イブキが着ても効果がないようだ。

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