ごはん。

 いつものバス停にて――


「はぁ~……」

 月夜が盛大なタメ息を吐き出す。


「どったの? 月夜」

 イブキがテクノジ~系情報で『アメリカ軍ついにレ~ザ~兵器開発! 1,6キロ離れたトラックのエンジンを撃ち抜くっ!』といった、おおよそ女子高生が読む記事とは思えないモノから視線を外す。


「はぁ~……昨日ね……」

 そういって月夜はツラい記憶をおも出すように苦悩の表情のまま語りだした。


「昨日ね……カレ~作ったんだケドさ~」


「ふむふむ」


「いざ食べようと思ったら、御飯炊いてなかったんだよね……」


「ふむふむ」


「…………はぁ~……」


「えっ! それだけっ!?」


「えっ! うん。それだけだけど」


「そんだけっ!? たったそんだけのコトでそんなセカイのおわりみたいなカオしてたのっ!?」


「そんだけって――カレ~にライスなのはダメでしょ! 焼肉やスキヤキができあがった後で御飯の炊き忘れに気が付いた時の絶望感はすっごいんだからっ!」


「う~ん……わかるケドさぁ~。そうそう、ゴハンたきわすれたときはさぁ~フライパンでたいちゃえばイイんだよ。15ふんくらいでできるよ」


「ホントっ! そんな事できんのっ!?」


「うん」

 こうして月夜の暗い記憶は消え去るのだった。

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