ひえろぐりふ。

 いつものバス停にて――


「イブキ~」

 珍しくイブキのほうがさきに着いていた今日、後からやってきた月夜が現れるなり、


「んにゃ?」


「さっきトLINE~クで送ってきたコレってなに?」

 そういって見せたスマホ画面には2匹のヒヨコと鳥と包丁と波線と他に形容しがたい斜めの線と貝っぽいのと、Δな表記が並んでいた。


「んとね~……それはコダイえじぷとのコトバで『なんじはどこにいるのか』ってイミなんだよ」

 イブキの返答に月夜は、


「いや……普通に送ってよ……古代エジプト語をウチが読めるワケないじゃん」


「でも、おっかしいな。したのほ~にニホンゴでいみがかいてあるハズなのに……」


「えっ! あっ!ホントだ。下の方に『汝はどこにいるのか』ってはいってる」


「ふふり」

 と、言うイブキと同時に月夜のト~クにもう一つスタンプが表示される。表彰台みたいなやつと安全ヘルメットみたいなやつと青い四角の箱のような文字だ。


「意味は『満足』――いや、普通に言えよ! 目の前にいるんだしっ!」

 続いて、赤い鳥とトカゲと尿瓶のような文字が――


「意味は『怒り』――こっちのセリフだよっ! なんで目の前にいるのにLINEト~クの――しかもヒエログリフで会話しないといけないのっ!!」

 続けて、蛇と箒とうずまきと、形容できない4つの文字が送られてきた。


「意味は『汝自身で判断を下せ』――うっさいわっ!」

 さすがに悪いと思ったのかカバンからブラックサンダ~を取り出して、月夜に渡すイブキだった。


「帰りにスタバでベンティね。イブキの驕りで」


「た、たかいよぉ~」

 その抗議をプイっと横をむいたままブラックサンダ~を齧る事で無視する月夜だった。

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