イベントののりかた。

 いつものバス停にて――


「う~ん……バレンタイン近いからか~……」

 月夜が少し傷の目立つようになった自身のスマホでグルメニュ~スを見ながらそんな事を呟く。

「ん? ど~したの? 月夜もだれかにあげるの?」

 イブキがウィスキ~ボンボンの作り方を見ていたのを中断して、月夜の呟きに乗っかる。

「いや。その予定はないんだけど……最近はコンビニいっても、暴君ハバネロチョコパウダ~とか、ぜんぜん関係ないカップメンもイベントに乗っかってきてハ~ト型のカマボコいりとかやってて「あ~……バレンタインなんだな~」っておもちゃったの」

「月夜もだれかにあげればいいじゃん。おと~さんとかトモチョコとかくばってさ~」

 そういって作ろうと思ってるチョコのレシピをパラパラと見せるイブキ。

「う~ん……」

 それでも難しい顔をする月夜。

「なになに? ホンメ~のヒトにしかあげないの?」

 イブキがからかい半分でそんな事を言う。

 そして――


「いや。人にあげるぐらいなら全部食べちゃう!!」

「あっ。そう」

 バレンタインに乗れない女子の月夜だった。

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