ころっけ。

 いつものバス停にて――


「え~!!」

 イブキがスマホをみながら否定的な声を上げる。

「コレみてよ月夜! おソバにコロッケだって!! ゼッタイありえないよ!!! しるでアゲモノのサクサクかんなくなちゃって、い~ことないじゃん。ゼッタイべつべつにたべたほ~がいいよ」

 そういって憤るイブキに月夜は、

「い~じゃん。コロッケのはいった蕎麦おしそ~だし、それに有名なチェ~ン店のメニュ~にも『コロッケ蕎麦』ってあんだよ」

「へ? そ、そ~なの?」

 持論をまっこうから否定され、さらに世間でも一定の認知をされてる事を知り、たじろぐイブキ。

「うん。だって、揚げ物っていったらかき揚げもそ~だし」

「な、なるほど……」

「最初からはいってると衣が汁を吸っておいしいし、後載せの場合はサクサク感も楽しめてグッド! このときにソ~スじゃなくて醤油をかけておくとのがいいんだよ!!」

「そ、そうなんだ」

 そこで月夜は夢見る乙女のような表情と瞳で、

「あ~あ……コロッケで蕎麦が隠れるぐらいにたっぷりとはいったコロッケ蕎麦が食べたい」

「それはさすがにだれもヨ~ニンしないよっ!!」

 そこは全力で否定するイブキだった。

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