ざっし。

 いつものバス停にて――の近くにあるコンビニ。


「この娘が関東で一番かわいい女子高生か〜」

月夜がお菓子の満載されたカゴを地面に置き女性ファッション誌を立ち読みしている。

「172センチってウチよりも高いな、スタイルもいいんだろ〜な、高2なんだ」

ティアラと赤いマントをつけたグランプリ受賞者の写真を見ながら呟く月夜。

「お、おもい……」

さきほどまで料理のレシピ本を見ていたイブキが大きな雑誌を持って呻く。

「ぜくしぃ〜⁉︎ イブキ結婚すんの⁉︎」

「あ、あいてがいればいつでもウェルカム。つかおもい‼︎ こんなんもてないとケッコンできないの」

イブキが分厚い雑誌をもってよろめく。

「だめ! こんなモンもって、まして、たちよみするなんってムリゲ〜すぎだよ!」

イブキがなんとか雑誌を棚に戻すと、

「もっと自分に合った雑誌見なよ、はい。ひめぐみ」

「なんでよっ! せめてジャンプにしてよっ‼︎」

「はい」

「ありがと〜。さ〜コンゲツのシンゲキは――ってコレ、ベツマガ! こんなん、よんだらおもくて、ウデがプルプルしちゃうよっ‼︎」

「じゃ、これは」

「あれ? このホンなんかあおいテープでひらかないよ〜になってるケド……」

そういって表紙を見たイブキは――

「イブキさんになんてモノもたせんのさ!」

腹を抱えて笑っていた月夜の頭をエロ――テープで封のされた本の背表紙で叩いた。

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