まっさらじょし。

 いつものバス停にて――


「ぬう……」

 イブキがイライラした感じで呻き声を出す。

「どしたの? イブキ」

「うん? えっとね……このスレみてたの」

 そういってイブキは某大型掲示板のまとめサイトが映し出されたスマホを見せる。

「『彼氏がほしいって言ってた好きな娘に告白した結果』?」

「そう」

 イブキが続きを読んでくれというようなジェスチャ~をする。

「ええっと……数回デ~トして目の前で『彼氏がほしいほしい』と連呼してたのでチャンスだと思い告白したらフラれた――あ〜相手の娘は恋愛感情はまったくなかったタイプの話しか〜」

「え〜。す〜かいデ〜トしておいてそれはないよ」

「ウチも男友達いた事ないからわっかんない」

「……だよね」

今年も一人で過ごす可能性が濃厚な恋愛経験ゼロJKの二人だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る