すってか〜

 いつものバス停にて――


ぶおぉぉぉぉ――

寒い朝靄の中を一台の小型自動車が真っ白な排気ガスを上げながら通り過ぎるのを見つめているイブキ。

「ねね――」

イブキが走り去った車を見ながら、

「クルマにさ『アカちゃんのってます』のステッカーつけてるヒトいるけどさぁ〜、ステッカーなくても『おっ! まえにクルマいる。よし! 凸ゲキ! ド〜ン‼︎』ってやるヒトいないよねぇ〜?」

そう振ってきたイブキに少し思案した後、

「単純に赤ちゃんが乗ってるからいつもよりきをつけてね事じゃないの?」

「でも、『アカちゃんステッカ〜ないな、よし! 凸ゲキ! ド〜ン‼︎』ってふ〜にはならないよね?」

と、イブキが不思議そうな表情で呟く。

「あ! あのステッカ~の意味がのってるよ」

 月夜がスマホを操作して調べた結果を口にする。

「あのステッカ~って周りの車に注意喚起するための物じゃなくて、万が一事故になった時に親が死んだり、意識がない時に車内に赤ちゃんが取り残されないようにするための物なんだって」

「あ! そうなんだ~」

「事故の衝撃でシ~トの下とかに入り込んじゃう場合があるから、赤ちゃんが乗ってるからもし事故になった時、よく探してくださいって意味なんだってさ」

「そ~いういみだったんだ」

 イブキが納得顔で呟いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る