びっち。

いつものバス停にて――


「はぁ〜」

イブキが自分の胸――限りなくゼロに近い、むしろ微粒子レベルで存在してるかもしれない盛り上がりに手を当てため息をつく。

「ビッチになりたいな〜」

「イブキっ⁉︎」

唐突に飛び出したものすっごい発言に月夜は『ギョ』っとする。

「あんた意味わかって言ってんの?」

「ん? ビッチって、ムネがおっきくて、キレ〜で、オトコのヒトのしりあいがおおくて、ムネがデッカいヒトのコトでしょ?」

「まあ……だいたいあってるけど……って、なんで胸を二回言った⁉︎」

「だいじなコトなのでニカイいってみた」

「そんな踊ってみたっぽく言われても……って、そんな事よりもビッチって侮蔑の言葉だから、あんまり自分からなりたいって言わないほうがいいよ」

「でも、イブキさんおっぱいおっきくなりたいもん」

「いや、ビッチイコ〜ル巨乳じゃないからっ!」

やんわりと理解させるには難易度の高いワードだった。

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