けあ。

 いつものバス停にて――


「むむむ……」

 イブキが珍しくスマホではなく自身の手を見詰めたまま呻く。

「どったの?」

 スマホでオシャレ系ニュ~スを見てた月夜がイブキの様子み気付き問いかける。

「いや~。さいきんおと~さんもおか~さんもいそがしくってイブキさんがカジやってんだけど、みずがつめたくなったせ~か手がアレちゃって」

 そういってイブキが手を見せる。

「ふ~ん。ウチからするとあんまり気にならないとおもうけど……」

「ネイルするときにきになちゃうんだよ。なんかツメぬるときのコンディションもびみょ~にちがうし」

「夜、寝るときに保湿クリ~ムとか塗って寝たら?」

「う~ん……それでもいいんだけどさ……なんかベッドとかにそ~いうのつくとイヤじゃない?」

「手袋かなんかつけてればいいじゃん」

「それだとスマホいじれないじゃん」

「最近のはそ~でもないみたいよ、ホラ」

 そういって月夜は見ていたオシャレ系ニュ~スの中にあったある記事を見せる。

「つけごこちがよく、スマホもそ~さできるホシツテブクロ?」

「よさそ~でしょ?」

「うん。つかってみるネ。ありがと月夜」

 丁度やってきたバスに乗り込みながら礼をいうイブキ。


 なんのアクシデントもない、いつもの平凡な一幕。

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