あんにゅい。
ヒラヒラ舞い落ちる落ち葉を見ながら――
「はぁ~……」
教室の窓際、最後尾の席に座ったイブキがポツリと呟く。
どぼどぼどぼどぼど――
「月夜、こぼれてるよ」
固まったままペットボトルから水をこぼしてる月夜にイブキが声をかける。
「こしこし――ど、どうしちゃったのイブキ」
「ん~?」
イブキが机に頬杖をついたまま虚ろな瞳で応じる。
「なんかさぁ~秋ってダルいよね~」
アンニュイな雰囲気を漂わせたイブキが呟くに言う。
「春にさ~スタ~トダッシュきめて、夏にゼンリョクゼンカイになってさ~あきにちからつきるのシカタないとおもわない?」
「でも、ほら食欲の秋っていうじゃん」
「そんな月夜のためだけにあるコトバだよ。秋なんてさ~ながいやすみもないし、おもしろいイベントもないし……あ~あ~はやく冬になんないかな~」
「なんで冬のがいいの? 寒いじゃん。まあ、ウチは肉まんとか鍋とか楽しみだけどさ」
「だってさ~冬にはクリスマスあるし、ネンマツのマモノもあるし、冬休みもあるし、お年玉もあるし」
「あ~なるほど……でもさ――」
「ん?」
「さっき春にスタ~トダッシュ、夏に全力全開って言ってたけど、ウチが思うにイブキが今年なんかがんばった思い出がないような~スタ~トダッシュってゆ~かスタ~ト地点から一歩も動いてないような~……それで疲労してるっていわれても……むしろ体力温存していまから本気出すって感じんんだけど……」
「そ~いわれてみれば、そっか、そっか、よ~しイブキさんいまからほんきだすよ~!」
今年もあと3カ月ほどよろしくお願います。
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