ねこじた。

 いつものバス停にて――


「へ~猫舌は思い込みで人間の身体の構造上舌の神経が過敏の人は存在しないんだ~」

 月夜が相変わらず堅そうな記事を読んだ後にそんな事を呟く。

「ウソだよ! イブキさんあっついのニガテだもん!! すっごくフ~フ~しないとたべれないもん!!!」

「だから、それが思い込みらしいよ。以前は舌の角質の厚さとか口腔内粘膜の量から熱さを感じる度合いに個人差がある――ってのが猫舌の定説だったらしいけど、最近じゃその差は微小でほぼ耐熱効果があるモノじゃないんだってさ」

「う~……そんなむつかしいコトいわれても……」

「つまり、猫舌じゃないって人っては熱いモノを食べるときに神経の集中してる舌先を避け、空気を含ませながら食べてるだけらしいよ」

「ほぇ~。でも、よくわっかんないや」

「猫舌の人はたんに食べ方がヘタなだけなんだってさ」

「そういわれると……なんかイラっとくるな……」

「とゆ~ワケでイブキが食べ方うまくなるように帰りに猪肉ラーメン食べて帰ろ」

「それ月夜がいきたいだけじゃん!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る