みずぎ つぅ~。

 いつものバス停にて――


「この夏ビキニを買う女性が多い――か」

 月夜がスマホ片手にそんな事を呟く。

「これはもう! イブキさんにビキニデブ~しろってコトだよね!!」

「違うと思うよ」

「だって、だって――ことし水着を買う女子ではんぶんイジョ~の人がビキニってこたえてんだよ! これはもう全女ビキニほ~あんが国会を通過してもいいレベルだよ!」

「そんな法案が通過するなら、とりあえず解散総選挙を要求するね」

「とにかくビキニだよ、ビキニ! かっこよくてカワいくて、着ればグラマ~なたいけ~になる――」

「イブキの体型をグラマ~にするのはパットとかじゃ限界があるから、CG処理しないとダメでしょ」

「そこまで!?」

「だいたい、ビキニ、ビキニ言ってるけどいざ着てみて鏡の前に立ったときに圧倒的な絶望感に打ちのめされるだけだと思うから辞めといたほうがいいと思うよ。無難にワンピかなんかにしときな」

「もうおそいよ~」

 イブキは自分のスマホでフリル付きのビキニを注文した後だった。


 そして翌日――


 ズゥ~ンと落ち込んだ雰囲気を漂わせたイブキが、

「ねぇ……月夜、あとひと月でイブキさんがセイチョ~する可能――」

「より地球に隕石が衝突する確率のが高いわネ」

 やや喰いぎみに容赦なくトドメを刺す月夜さんだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る