◇疑問
地界のモンスターを含めない種族の割合は人間種族が7割を占めている。という部分から切り出された【ケセラセ】と名乗る
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地界のモンスターを含めない種族の割合は人間種族が7割を占めている。
残り3割が人間種族以外、元々は
外界には人間種族がほとんど生息していない。他種族への牽制と自衛を同時に行うかのように各種族が “領土” を持っている。その領土が大規模だったり濃厚な質だったりすると○○界と呼ばれるようになる。
外界から見た地界は人間界であり、人間種族の領土という認識である。
地界よりも規模が広い外界にはそれだけの数の種族が生息している。ここで発生するのは種族間の争い───よりも危険視されているのが未知の病【奇病】だ。
なにがスイッチとなり発生しているのか不明な奇病や、発生原因は解明されているのに治療法の見通しがない奇病、発生と治療が確立されているにも関わらず回避も完治も難しい奇病......など。
ここ近年は外界だけでなく地界にも奇病と思われる
ギルド【アスクレピオス】は治癒術師の集まりであり医学に精通している者も多く、マスターの【ケセラセ】は治癒術師であり医者でもあり、生物学者という一面も持つ。
各々が外界に向かう目的があり、ギルド【アスクレピオス】は未知のモンスターの情報収集、種族の情報収集、奇病の情報収集、地界の医療の発展、治癒術の知識発展......など全てが命に関係する事柄であり、それは地界の繁栄にも繋がる事である。
ケセラセにとって外界は地界の拡張......外界も地界も関係なく世界であり、そこには数えきれないほどの生命が存在し、生命の数だけ怪我や病気が存在する。
それらを調べ、知り、今後にも繋げられるよう学べる環境を用意したいと思っている。医術者ではなく冒険者という生業を選んだ理由も、自分の足で歩き自分の肌で様々なものを感じ、何より自分で判断して手を伸ばしたいからだった。
◆
「人の数だけ、生命の数だけ怪我や病気がある。それは僕達医者......治癒術師にも例外なく降りかかるものであり、進行状態では医術を極めた者でも治癒再生術を持つ者でも手遅れ───不可能な場合がある。状況によっては命というものに優劣をつけなければならない時もある。僕達は神様じゃない。学を積み経験を積み新たな学を積み、特定の分野でその能力を発揮しているただの人だ。キミ達、
と、ケセラセは中々に難しい話を長々とした。
正直わたしは内容をほぼ覚えてない。
モンスターの事、種族の事、怪我やら病気やら、あと草とかの話もしていた、程度しか覚えていない。
ただ【ゼリー】からの【ケセラセ】で思ったのが、各々の目的のために外界を攻略......攻略と言えば外界の印象が悪くなるが、何かしらのリワードを求めて外界へ出向いてるのがわかる。
ゼリーは海賊らしく楽しむためという印象が強く、ケセラセは今言ったように医療やら医術や人の為になる何かを求めている。
ここでわたしにある疑問が浮上した。
「なぁ」
「ん? なんだい? キミは......そのサイズ、そのふてぶてしい態度! 青髪の魔女だね!? どうしたんだい!?」
自分への質問か? という意でわたしの声を拾ったケセラセ。見た目は何かこう......悪い事してそうな医者感あるけど結構絡みやすい性格かもしれない。が、今はケセラセ個人に質問はない。
「そもそも何で外界に行くのに許可だの何だの必要なんだ? ケセラセの話はよく理解出来なかったけど、ケセラセは
わたしの中に浮上した疑問はこれだ。
最後のはいらなかったかもだけど、実際に同じタイミングで外界から全員帰還する理由がわからない。別々でもいいと思うし、わたし達が今後外界へ出向くので後輩に色々とレクチャーしにきた、という連中には到底思えない。
「私もそれは思っていたわ。なぜ今同じタイミングで地界へ帰還したのか。まずそれを話してもらわないと私達は外界に気なんて向かわないわよ」
半妖精が可愛らしい耳を触りながら
「おや? キミは
やはりコイツは......何か悪い事をしてそうな医者って印象がある。
「あ、すまない話が脱線寸前になってしまったね。理由......だったかな? そうだねぇ......ノル君。任せてもいいかい? いいよね? お願いねー!」
「僕かい? そうだな......残念だけど確かにこのメンバーなら僕、いや、僕のギルドのサブマスターがいいかもしれないね。頼むよノレッジ」
「承知した。では私から具体的な話をさせてもらおうかな」
ロン毛のローブ男がゆらりと立ち上がり、
「私はギルド【ジルディア】でサブマスターをやらせてもらっている
深々とお辞儀した。
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