第百二十一章 暴虐の神々

 慎重な筈の聖哉は私の手を引き、賢者の村に向かって躊躇うことなく突き進んでいく。村の入口を過ぎると以前、聖哉が消した魔法陣が復活しているのが視界に入った。


 不意に、魔法陣が血のように赤く光り輝く。魔法陣を含めた私の周りの風景がぐにゃりと歪んだ。


 ……気付けば、辺りには何もない真っ暗な空間が広がっている。突然、宇宙に放り出されたような感覚。だが、私はこの景色に見覚えがあった。初めて邪神が私の前に姿を現した時と同じ光景だ。


 ――ってことは……此処は精神世界?


 現実なのか、幻なのかも分からない。そして周囲は、自分の体が周囲と混ぜ合わさって溶けて消えてしまいそうな漆黒の暗闇だ。それでも私の手には聖哉のぬくもりがあった。聖哉が手を繋いでいてくれるので恐怖はない。いや、魔王戦に向かった時からずっと、私の中でその感情は麻痺しているのかも知れない。


 聖哉の手がピクリと動いた。私の手を離し、腰の鞘から剣を抜いて、私をかばうように前に出る。


 ……聖哉の視線の先に、それは静かに佇んでいた。


 以前と同じように漆黒のローブをまとっている。だが、頭のフードは外しており、背中にある黒鳥の翼にまだら色の髪が重なっていた。


「極限変化を遂げたあのアルテマイオスを倒すとはね」


 体から紫紺の淡いオーラを放ちながら、独りごちるように言う。切れ長の目。高い鼻に薄い色の唇。邪神は、意外にも美しい女の顔立ちをしていた。


「しかし、驚きはしないよ。『不可能だと思われていることでも成し遂げ、世界を救う』――それこそが真の勇者だ。私はそのことを誰よりも良く知っている」

「今日はジジィの真似事はしないのか?」


 聖哉が聞くと、邪神は押し殺したような声で笑う。


「溢れる力を抑えきれなくて。ようやくこの身を意識体から具現化出来たよ。一度は神にまでなったアルテマイオスの魂が、私の力を飛躍させてくれた。全て君のお陰だ」


 聖哉が「フン」と鼻を鳴らす。邪神は楽しげに自身の長い髪の毛を触っていた。


「この日を待ち望みながら、沢山の世界を滅ぼしてきた。一つの世界を滅ぼす度にこうして髪の色が染まっていったよ。これが『穢れ』というものなのかも知れないね」

「……アナタは一体、何者なの?」


 私が尋ねると、邪神は意外にも暖かみを感じさせるような眼差しで見詰めてきた。


「私の名はメルサイス。かつては君と同じ統一神界に住んでいたよ」

「と、統一神界……!?」


 もしも邪神の言うことが本当なら、私にとっては驚愕の事実だ。なのに聖哉は当然のように頷く。


「『暴虐の神メルサイス』だな」

「ほう……」


 邪神は感心したような顔で聖哉を眺めるが――えっ、えっ! ちょっと待って!


「聖哉!! どうして『暴虐の神』だって分かっちゃうの!?」

「戦神ゼトが以前、話していただろう」

「そんなことあったっけ!?」

「あった。何となく大事な話のような気がしてな。あの時、メモしておいたのだ」


 聖哉は胸元から藁半紙の束を取り出した。開かれたページを覗き見する。そこには聖哉の字でこう記されていた。



『★大事★ 暴虐の神 メルサイス(読み方・ぼうぎゃくのかみ めるさいす)←初出は戦神ゼトの発言から。【一口メモ】神界統一戦争を引き起こした? ゼトが荷担、そして他にも加わった神がいるかも? 統一神界を追放され、異世界に落とされたと仮定すれば現在は邪神になっている可能性あり』



「!? 何コレ、すっごい!! 人物辞典みたいになってる!!」

 

 ゼトに会った時、既にこんなメモを取っていたの!? 忘れないように……そして自分の推測まで書き込んで……な、何かちょっと気持ち悪……い、いや!! 実際、役に立ってるもの!! 「流石は聖哉」と褒めておきましょう!!


 色んな感情が入り乱れながら仰天する私をスルーして、聖哉はメルサイスに話し掛ける。


「魔王を倒した後、此処に来いと言っていたな? それは俺とリスタを殺し、より強大な力を得る為だろう?」


 自信ありげな聖哉の言葉に、だがメルサイスは静かに首を横に振った。


「今までの戦いを見て、神通力でも備わっているんじゃないか、と疑ったが……流石に予知能力はないらしいね。残念だが、その推測は外れだ。此処に呼んだのは君達を誘いたかったからだよ」

「さ、誘う?」


 そしてメルサイスは笑みを浮かべながら私を見た。


「どうだい。私と一緒に正しい世界を作らないか?」

「なっ!? 何言ってんのよ!! 誰が邪神の協力なんて!!」


 憤慨して叫ぶと、メルサイスは友人のように親しげに言葉を紡ぐ。


「女神リスタルテ。統一神界は居心地の良い素敵な場所かい?」

「そんなの当たり前でしょ!!」

「現在、正しいと思っていることが、これから先もずっと正しいとは限らない。いいかい。統一神界の在り方は間違っているんだ」

「あ、アンタがどれだけ神界に不満があるか知らないけどね!! そもそも、そういう問題じゃないのよ!! 私と聖哉がキリちゃんを弄んだアンタに協力なんかする訳ないでしょ!!」

「キリング・マシンに宿らせた胎児の魂のことか……」


 メルサイスは哀れむような顔を私に向ける。


「私にも、かつてかけがえのないものがあった。神としての永遠の命など軽く凌駕する程に大切なものが。そして、」


 メルサイスはちらりと背後を振り返る。


「君達は失い、私は得た」


 ――な……何?


 ……メルサイスの背後。暗闇からゆっくりと歩いてくる者がいた。仮面を被り、賢者の村で見た悪魔神官のような出で立ちだ。メルサイスの隣まで歩むと、寄り添うように体を近付ける。


「遂に取り戻せたよ。あの時、失ったものをようやくね」


 仮面を愛おしげに指で撫でながら、メルサイスは私に視線を送った。


「女神リスタルテ。私に協力してくれるなら、君の子供も同じように復活させてあげよう」

「き、キリちゃんを復活……!?」

「私なら可能だ」


『同じように復活』って、つまりその仮面の奴も生き返らせたってこと!? そ、そんなことが!!


 頭では罠だと分かっているのに、楽しそうに語らうキリコの面影がフラッシュバックして、私の感情が揺さぶられる。だが、その時。


「リスタ。惑わされるな。甘言だ」

「う、うん! そ、そうよね!」


 聖哉が剣をメルサイスに向けた。仮面の者がぴくりと反応する。


「……ねえ、メルサイス。アレは僕の敵?」


 性別の分からない、くぐもった声が仮面越しに聞こえた。ゆらりとメルサイスの傍を離れ、聖哉と対峙する。そして、その途端、


ステイトバーサーク・フェイズフォース状態狂戦士・第四段階


 声が響くと同時に、仮面の者から赤黒い狂気のオーラが拡散される!


 フェイズ・フォース第四段階!? あ、ありえない!! 聖哉は狂戦士状態をフェイズ・サード第三段階に近付けるのがやっと!! それにこの絶技を編み出した戦神ゼトですらフェイズ・サードが限界だった筈よ!! 


 嘘を吐いているに決まっている。しかし、今まで見たことがない程に膨大なオーラが宙で蠢き、それが悪魔の顔のようにも見えて、私の背筋は凍り付く。


 珍しく聖哉が、じりっと一歩、後退した。代わって、こちらに足を踏み出した仮面の者だったが、刹那、体勢を崩して膝を付く。メルサイスが肩に手を乗せた。


「無理をしてはいけない。まだ体がこちらの世界に馴染んではいないのだから」


 立ち上がらせた後、体を支える。何故だか私には、それが親友や愛する人にする仕草に思えた。


「行こう。私達の倒すべき敵は他にいる」


 そしてメルサイスは私と聖哉に背を向け、暗闇の向こうに歩き出した。


「ま、待ちなさいよっ!!」


 私が叫ぶと、メルサイスがちらりと振り返って、呟く。


「今日から全てが変わる。新しく、それでいて本来あるべき正しい世界に」






 ……ハッと気付けば、漆黒の暗闇は去り、目の前には廃墟と化した賢者の村が広がっている。私と聖哉は魔法陣の上に立っていた。


 ――幻覚……じゃないよね?


 今起きたことが何だったのか、考えあぐねていると、聖哉が私の肩を突く。


「リスタ。急いで門を出せ」

「えっ!?」

「統一神界への門だ」

「あっ……っと!! し、神界へ戻るの!?」

「そうだ、早くしろ。いや、もう遅いかも知れんがな」

「遅いかも、って……ま、まさか……メルサイス達が統一神界に!?」

「その可能性がある」


 私は慌てて門を出す。門を潜る最中、胸が激しく鼓動していた。


 ――アリア!! イシスター様!! どうか無事でいて!!


 しかし。


「……あれっ!?」


 神界の広場はいつものように神々達が談笑しつつ、行き交っている。ほのぼのとした神界をぐるりと見渡した後で、私は聖哉の顔をまじまじと見る。


「何も起きてないじゃん……!!」

「うむ。奴らにも準備があるようだ。よく考えれば仮面の奴は、しんどそうだったしな」


 な、何だ……いつも通りの気にしすぎだったのね……ってか、心臓に悪いんですけど!!


 気が抜けて、へたり込む。だが聖哉は私の襟首を掴み、立ち上がらせた。


「ふえっ!?」

「それでも間違いなく近々、何かしらのアクションを起こすだろう。リスタ。イシスターの所に行くぞ」

「う、うん!」






「……イシスター様。失礼します」

「リスタルテ! 無事で何よりです!」


 イシスター様は、駆け寄って来て私の手を握った。今までずっと私の身を案じてくれていたようだ。お礼を言った後、真剣な顔でイシスター様に報告する。


「イクスフォリアに巣くっていた邪神の名が分かりました。『暴虐の神メルサイス』――それが邪神の正体です」

「メルサイス……!」


 普段おっとりしているイシスター様は大きく目を見開き、呼吸を荒くした。


「神界統一戦争を起こした戦犯として、最奥神界より堕天の刑を受けた筈でしたが……そう……そうでしたか……」

「バアさん。奴は魔王アルテマイオスの命を吸収し、強大な力を手に入れた。そのことで最奥神界の神々に話がある。取り合ってくれ」

「分かりました……」


 イシスター様に先導されて廊下を歩く。そして、私と聖哉は時の停止した部屋から最奥神界に入ったのだった。




 曲がりくねった道を歩き、最奥神殿に辿り着く。何と入口の両脇には普段、神殿に鎮まっている筈の時の女神クロノア様と、理の神ネメシィル様が佇んでいた。


 二柱の最奥神界の神を前に、イシスター様が跪く。


「理の神ネメシィル様。時の神クロノア様。イクスフォリアの邪神のことで折り入ってご相談がございます」

「イシスター。それは後だ。……治癒の女神リスタルテ。難度SS世界イクスフォリアの救済、ご苦労であった」

「えっ!? は、はいっ!!」


 急に話を振られて戸惑う私にクロノア様が微笑んだ。


「まずは頑張ったアナタに、ねぎらいをしなければね。今より最高神ブラーフマ様もお姿を現されるわ」

「ブラーフマ様が……!」


 全ての神の親神にして、最高神である創造の神ブラーフマ様。そのお姿を私はこれまで一度も拝見したことがなかった。


 やがて、神殿の扉がゆっくりと開かれる。神々しい光と共に現れたのは、理の神ネメシィル様のような巨漢ではなく、またクロノア様のような見目麗しい女神でもない、私よりも小柄な神だった。


 白いローブをまとい、背には体に釣り合わぬ大きな翼を宿している。しかし、何より私の目を引いたのはブラーフマ様の顔だ。


 最高神ブラーフマ様の顔は真ん中で分かれ、半分が少年のよう、もう半分は少女のような顔をしていた。髪の毛も片方は短いが、もう一方は腰まである長さだ。


 ――うわ……! これが創造の神ブラーフマ様! な、何だかちょっと予想と違う!


 ブラーフマ様の二つに分かれた顔が、にこりと笑う。


「よくやったね、リスタルテ。これで科せられていた罰も解除。そして今日からは上位女神に認定だ。これからも頑張って欲しい」

「あ、ありがとうございます!」


 緊張しつつ返事をする。隣から、ネメシィル様が野太く響く声を上げた。


「ブラーフマ様が姿を現されるなど一体いつぶりのことか。感謝せよ、リスタルテ」

「は、はいっ!」


 イシスター様も私も緊張しているそんな中、聖哉がブラーフマ様に一歩近付いた。

 

「おい、『半人前』。そんなことより急を要する話があるのだが」


 ……一瞬の沈黙後、ネメシィル様とクロノア様が声を張り上げる。


「だ、だ、だ、誰が『半人前』だ、この愚か者があああああああああああああ!!」

「りゅ、竜宮院聖哉! ブラーフマ様のお姿は、陰と陽が組み合わさりし、宇宙創造の尊い御姿なのよ!」


 恐る恐るブラーフマ様の顔を窺う。半分少年で半分少女の顔は変わらず、にこやかに微笑んでいる。よ、よかった! どうやら怒ってないみたいだわ!


「竜宮院聖哉。君にも礼を言おう。難度SS世界の救済。素晴らしい善行だ。今すぐにとは言わないが……いずれ、男神になる気はないかい?」


 突拍子もない発言に私はどきりとする。


 ――せ、聖哉が男神!? もし聖哉が神になれば、私達ずっと神界で一緒に暮らせるわ!! それってば、メチャクチャ素敵かも!!


 だが、


「断る」

「えええええええええっ!?」


 聖哉はあっさりと却下した。ブラーフマ様も私と同じく驚いた顔をする。


「神となれば永遠の命が手に入るんだけどなあ」

「いらん。生物は死ぬからこそ、限られた時間を有意義に生きられる。永遠の命など手に入れてもロクなことはあるまい」

「なるほど。そういう考え方もあるね。しかし……それにしても君達は対照的だな。かつて、リスタルテの魂は今の私の問いに『永遠の命、超ほぴぃ!』と即答したものだったけど」

「!! 私の魂、『超ほぴぃ』って、即決したんですか!?」


 聖哉は白い目を私に向けた後、ようやくブラーフマ様に本題を切り出した。


「神界統一戦争の首謀者、暴虐の神メルサイスがイクスフォリアにて具現化した。高い確率で近い将来、統一神界に攻めてくるだろう」

「ふむふむ。なるほどね」


 聖哉が真剣に語っているのに、ブラーフマ様はまるで世間話をしているような軽い相づちを打つ。


「メルサイスか。確かに強い力のある神だった。しかし我々からすれば、暴虐の力など所詮、粗末な力だ」

「俺は死皇戦で奴の力の一端を垣間見た。ハッキリとは分からんが、神界そのものを揺るがす力を持っている可能性がある」

「それは、ないよ。いかなる者も、時を止め、三千世界の理を操る最奥神界の脅威にはなり得ない。メルサイスが何を仕掛けてこようが、またヴァルキュレが始末してくれる。神界は決して揺るがないよ」

「攻めてくるのはメルサイスだけとは限らん。奴に荷担する魔族、邪神。更には、それが……」


 聖哉が睨むような視線をブラーフマ様に向けた。


「勇者の可能性もある」


 一瞬、辺りが水を打ったように静まり返る。だが、しばらくしてブラーフマ様は、くすくすと笑う。


「確かに、確かに。可能性は無限だからね」

「仮にそうなった場合、神界の神は勇者を殺せるのか?」

「いや。基本的には神が人間を殺すことはないよ。規律に反するからね」

「ならば、どうする?」

「その時は……そうだね。リスタルテに君を呼べるようにしておこう」

「今回同様、記憶は残したままで頼むぞ」

「ああ、いいよ。……あれ? ひょっとしてうまく話を持っていかれたかな?」


 聖哉は礼も言わずに踵を返し、ブラーフマ様に背を向けて、歩き出そうとした。


「おや。何処に行くんだい、竜宮院聖哉?」

「戦神ゼトに会って詳しく話を聞いておきたい」

「イクスフォリアは救った。君の仕事はもう終わった筈だけど?」

「確認したいことがある。先程、メルサイスと一緒にいた奴は狂戦士状態を第四段階まで引き上げていた」

「ゼトなら既に帰らずの井戸から、より安全な場所に隔離しているよ。謀反の企てが見られたからね。今は誰もゼトに会うことは出来ない」


 か、隔離!? だからこの前、私が帰らずの井戸に行った時はいなかったんだ!!


「我々も反抗する勢力には、こうして事前に手を打っているんだよ」

「それでは、神界統一戦争に加わった相手側の神々のデータが欲しい。戦争というくらいだからゼト以外に加わった神も少なからずいるのだろう?」

「竜宮院聖哉。これ以上は、人間の関与する問題じゃあない」

「ならば勝手に調査する」

「全く。仕方がないなあ……」


 不意にブラーフマ様が、ぱちりと指を鳴らした。


 ――えっ。


 その刹那、聖哉の姿は忽然と最奥神界から消えてしまった。


「せ、聖哉っ!?」


 辺りを窺うが、何処にもいない。


「ブラーフマ様!! 聖哉は……一体、聖哉をどうしたんですか!?」

「元いた世界に送ってあげたんだよ」

「なっ……!!」


 事も無げに言ったブラーフマ様に私は叫ぶ。


「そんな勝手に!! 聖哉は命懸けでイクスフォリアを救いました!! そして、私達が住む統一神界の心配までしてくれて……なのに、別れの言葉もないまま強制退去させるなんて!! 酷いっ!! あんまりです!!」

「り、リスタルテ……!」


 イシスター様が私を宥めるように背中に手を当ててきた。だが、有無を言わさず聖哉を帰したブラーフマ様に私は激怒していた。


「君の言う通り、竜宮院聖哉は救世難度SS世界の攻略を為し得た素晴らしい勇者だ。クロノアも彼のことを気に入っている。もし彼が男神になるなら、私は快く迎え入れるだろう」

「だったら、聖哉の話を聞いてくれてもいいじゃないですか!!」


 ブラーフマ様はにこやかに私の言葉を遮った。


「今はダメだよ」

「どうして!? どうしてですか!?」


 二つの性別が合わさった口元が、にやりと歪む。


「神となり選ばれし存在になるまで、人間など取るに足らない未熟でちっぽけな存在だからだ」


 氷のような最高神のオッドアイを見た瞬間、私の中で何かが崩れていくのを感じた。


 ……真善美と慈愛に満ちている筈の神界。


 ……イシスター様がいて、アリアがいて、アデネラ様がいて、セルセウスがいて、居心地の良い平和な私の故郷。

 

 なのに、メルサイスの出現と共に当然だと思っていた常識が歪み、揺らいでいく。


 私自身――いや統一神界そのものも、やがて来るその大きな歪みの渦に呑み込まれようとしていた。




<イクスフォリア編・完>

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