　拙作「ブルーム・ストライカーズ！」のtxtファイルのタイムスタンプは、2009年5月……そして、これが自身の記念すべき初のエター（エターナル、永遠に未完の作品）ですね。ここに載せた冒頭の部分しかありません。確か、2chの自作を晒して批評やアドバイスを貰うスレにて、未熟さを思い知らされたからですね。……正直、お見せできないレベルの作品ですが、これも7年前かと思うと感慨深いです。

　相変わらず無駄に漢字を多用し、文法も変です……書いてる自分が見えてる光景が、文章に落とし込めてないので、読むと？？？？ってなりますよね。「今の、誰の台詞？」って。さらに小説作法のタブー、複数視点のいり混じりが頻繁に発生するため、視点がコロコロ切り替わって読み難いですね。よく視点の制御は気を使えと言われますが、この作品を見て「あー、なるほど！　確かに見辛い！」って思ってもらえたら嬉しいです。じゃあ、視点の切り替わりが多発すると読み辛いっていうのは、具体的にどういうところでしょうか。ちょっと見てみましょうか。

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　めぐみから離れた手を、その横からガシリ！　と勢い良く両手で握って。嫌に目立つ容姿の少女は、名乗るなり握る手を大袈裟に上下させた。すらりとスタイルの良い長身に真っ白な長髪が、身に纏（まと）うセーラー服との強烈な違和感を奏（かな）でる。

【↑ここまで、未有人（ミウト）の視点】

「彼女は山田敦子（ヤマダアツコ）三等特尉（さんとうとくい）、オリジナル砲騎（BROOM）の弐番騎（にばんき）『おろち』の選任魔砲遣い（オーバーメイジ）。そして最後に……」

【↓ここからいきなり防人（サキモリ）の視点】

　呆気に取られる未有人の、縋るような視線から逃げながら。防人は最後の魔砲遣いを紹介するべく、その華奢（きゃしゃ）で小柄な姿を捜し求めた。

　彼女は未有人にはまるで興味が無い様で、風矢と何か話し込んでいる。その内容は聞かずとも解る、毎度いつものやり取り。

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　えっと、わかるでしょうか？　主人公の未有人の視点で基本進む中、突然父親である防人の視点が混じってきてるんです。「呆気に取られる未有人の、縋るような視線から逃げながら」の、この部分から防人の視点、防人中心の心情になってるんですね。「その華奢で小柄な姿（リサ）」を「探し求めた」のは、防人です……ですから、視点の保持者は防人になってる訳なんですね。皆さんももし小説を書くことがあれば、三人称形式の文章で視点の管理には気をつけてください。……商業誌でも時々視点がフリーダムな小説、ありますけどね。面白ければOKですが、面白い小説も楽しく読んでもらいたいから、気をつけたほうがいいかもです。

　あ、さて……前フリ、長かったッスね。本作はストライクウィッチーズや

魔法少女リリカルなのは等に影響を受けてた時代のものかと思われます。自分の悪い癖の一つに「設定を凝った作りにすると、満足しちゃう」というのがありまして。Ｎ計画や魔砲遣い、特務B分室等の設定は割りと気に入ってます。使い回す気まんまんです。てか、一部別作品に使い回しました（笑）

　ただ、こういう物語はすごい好きなんです……大戦中の兵器（奇想兵器）VS現代の魔法少女、みたいな。続きは書かれてないんですが、未有人は最後は砲騎に乗れる筈だし、リサがあんなに突っ張ってるのはN計画のある機体が姉の仇だから。白い長髪の敦子はあれ、そのうち霊子力が枯渇して飛べなくなっちゃうんですね。めぐみはオリジナル砲騎を開発した海音寺博士のひ孫で、この子もどてらい宿命背負ってます。でも「はつらつ元気な努力型天才主人公」「ツンケンクーデレ不良ヒロイン」「アホの子全開長身ボインヒロイン」「あららうふふ系おっとりお姉さまヒロイン」とまあ……趣味全開ですね（笑）続き、書きたい気もするんですけど……今なら少しは読めるものが書けそうですしね。