第14話 ゴッドジラ
「旧世界の映像記録?」
エドモンド少尉は顔をしかめた。
過去に何度か観たことはある。
青いタヌキが腹から得体のしれない武器をだし悪漢を成敗するといった教育資料映像。
なにかというと、自分の顔を他人に強制シェアする戦闘訓練マニュアル。
奴の右ストレートは、エドモンド少尉も嫌というほど訓練させられた。
「アーンパーンチ!」という掛け声とともに……。
そのほかにも
「ライダーキック!」「ペガサス流星拳!」なども、嫌ってくらい素振りさせられた。
なかでも思い出すのは
「カメハメハ!」
気功の奥義らしいのだが、見た者は誰もいない幻の奥義。
己の気を極限まで高め、掌から放出する技。
「亀仙流」なる武術一派の奥義だそうだ…恐るべきジャポンである。
エドモンド少尉に限らず、軍に属するものは、資料映像の発見は苦い記憶を蘇らせるキーワードなのだ。
今回の資料映像……。
巨大なイグアナが旧世界、おそらくはジャポンを破壊しまくる映像記録。
イグアナは口から時折何かを吐き出すのだが、これが恐るべき威力だ。
エドモンド少尉は思わず呟いた……。
「カメハメハ?」
周囲がどよめいた……。
「口からも出せるのか?」
「口からも、って…手からすら出ないんだが」
「今、諸君らが観た映像は旧世界を破滅に追い込んだ巨獣の映像である『GOD ZILLA』そう呼ばれていたらしい、そこで諸君らは『GOD ZILLA』調査部隊に期間限定で編入してもらう」
ブハッ!
エドモンド少尉は、抱えていたポップコーンにコーラを吹き出した。
(俺もか?)
あんなバカでかいイグアナキングを探すの?でかけりゃすぐ見つかるとか思ってんのか。
俺たちが、あれほど訓練しても音すら出せなかった「カメハメハ」を口から連発するイグアナだぞ…瞬殺じゃねえか。
「なお、捜索は海上にて行われるため、各自準備を怠らぬよう。出発は1週間後。捜索期間は1ヶ月、以上」
……………
「食糧調達部隊 特殊素材調理斑 X-1所属 エドモンド少尉であります」
かくしてエドモンド少尉…大海原へ。
軍艦に乗り込み2時間…エドモンド少尉を初めての感覚が襲う。
軽い頭痛…めまい…吐き気…そう船酔いだ。
頑張れエドモンド少尉…トイレは共同、キミの個室じゃない。
夕食は名物『海軍カレー』だ。
続く
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