第5話 ◇暴露
5.
間宮から、妻に私とのことがバレたのでもう今後付き合って
いけないと告げられた。
間宮の妻に私たちのことを暴露したのは何を隠そうこの私だ。
だがこんな結果を望んでいたわけじゃない。
間宮と奥さんが別れることになれば、間宮がすっかり私と一緒に
なると踏んでのことだ。
だけど、何ていう妻なの。
浮気な夫なんてさっさと三行半突きつけて別れなさいよぉ、全くぅ。
私の方はとっくに不倫がバレてしまい、離婚を突きつけら
れているというのに。
『浮気するような奴の子供の面倒なんかみられるか、子供を連れて
さっさと出て行け』と言われ、夫の邦夫から無一文で放り出されたのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
私は一週間前、迂闊にも動かぬ証拠を掴まれ、不倫が夫にバレてしまった。
夫に髪を掴まれ引きずり回され、平手で2度ほど叩かれ壁に打ち付けられた。
その時に腰を打って今も歩くのがつらい。
こんな状況で間宮にまで逃げられたのでは、今まで外で働いたことのない
私は生活に困窮して生きていけない。
間宮修造とのことはちょっとした火遊びのつもりだった。
本気で好きなわけではないが、夫は子供の養育費さえ出さないと
言ってるので、ここはこれからの私と子供の生活がかかっているのだから
女優になって大芝居を打つしかない。
私は何度も間宮にメールを送った。
******
『愛してるの、あなたのいない毎日は耐えられない。
耐えられなくて夫に別れてと言った。
それで私のほうは別れることになったのよ。
夫には任せられないから子供も私が引き取ることにした。
もう今の私に頼れるのはあなたしかいないの。
お願いだから連絡ください。
そして会ってください、お願いだから。 里子』
同じような文面を私は実家から送り続けた。
実家はすでに弟の代になっており、そう長くはいられない。
お尻に火がついた状況の私は必死だった。
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