第3話 So Long ! さようなら !



3.



=== 間宮遥 ===



私は目の前で許しを請う夫の言葉になんだか3流ドラマを

見ているような気持ちになった。しかしなぁ~ 私が

大事なら2年もの不倫はないよねぇ~。



なーんで離婚したくないのだろう。不思議。




だけどまだ子供達が小さいので女ときっぱり別れるのなら

子供達がせめて高校を卒業するまでは夫婦の体裁をとって

いてもよいかな、とも考えた。




よくもまぁ、私ともばれるまで何知らぬ顔で仲良く

しておいて、他所の女と良いことができるなんて汚らわしく

思うのは致し方ないだろう。




今後夫婦の営みは遠慮させてもらおう。


怒りもせず、泣きもせず、嫉妬もしない、そんな私に

夫は何思うのだろう。



すぐにそれは判った。



許されていると勘違い野郎は、いつものように週末

私の布団の中に入って来ようとしたのだ。



 

『あっ、待って!勘違いしないで。



夫でいる事は許したけど仲良しすることは別よ。

私、あなたとはSEXしない。




そうでしょ?いくら何でもそれはないわよ。これ常識。



他所の女を抱いた旦那と快くSEX出来る妻が世の中にどれだ

けいるかしら。どこかにそんな統計とってるサイトでも

あればいいのにね。中には出来る女性もいるでしょうけど

私は無理だから。



後何年かして気持ちが変われば出来るかもね。

それまで、お待ちくださぁ~い!!』




夫は、悪かったごめんと云い、スゴスゴと自分の布団に

戻って行った。





同じ部屋にいて同じ空気を吸うのもイヤという女性もいる

けれど、ひとまず私の場合同じ空気はOK.許容範囲のようだ。

拒否反応はないから。


まぁ、衝動に駆られて風俗に行ったり又浮気をしたらその時

はその時。もうおしい男でも夫でもないから捨ててやる。





夫にはまだ云ってないけど、今回の不倫は相手の女から来た

手紙で知ったのだ。



----あなたの夫には不倫相手がいる。旦那を許していいのか。

そんな旦那など捨てろ!------



って、笑っちゃうわよね。その不倫相手っていうのは、手紙

を書いて出した張本人なのにね。




私達を揉めさせて夫と一緒になりたいみたい。調べてみると

相手も既婚者で旦那も子供もいるのよね。まったく、なぁ~

に寝ぼけたこと云ってンだか。




離婚してでもうちの夫と一緒になるつもりかしら。夫に手紙

のことを話してもいいけど、一度云いそびれてから何かめんど

くさくなっちゃって、まだ話してはいない。


一応手紙はとってあるけど。






-960-

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