第3話 女子高育ち?

私がある女性入居者U様の入浴介助をしていた時の事、洗髪をして流し終わった時にU様が突然立ち上がりクルリと私に向き直った。


「どうしたの?」


U様

「あなたの事、これから『お姉様』って呼んでいいですか?」


「良くってよ!じゃあ私はUさんの事は何て呼べばいいかしら?」


U様

「お姉様!私の事は『のっちゃん』って呼んで欲しいの。」


その方は「のりこ」さんであったので聞き直してみた。


「『のりちゃん』じゃなくて『のっちゃん』なの?」


U様

「うん、家ではそう呼ばれてるの。」


「わかったわ!じゃあ‥‥のっちゃん❤︎」⇦せいいっぱいかわいい感じで呼んでみた


U様

「お姉様!」


「の〜っちゃん❤︎」⇦また頑張って呼んでみた


U様

「お姉様!私嬉しい!」


「のっちゃん、もうのぼせるから上がった方が良くってよ」⇦下級生を諭してる雰囲気を出したつもり


U様

「わかりました、お姉様!上がりますわ。」


「のっちゃん、そこの椅子に座ってもらってよろしくて?」⇦偉そうな先輩


U様

「わかりました!お姉様。次は何を?」


「身体を拭いて着替えましょ!出来ない事があったら教えてね、のっちゃん。」⇦少しお姉様でいるのに飽きてる


U様

「わかりました!お姉様!私、頑張ります!」



まぁ、そんなやり取りをしながらお風呂を終らせた。

ちなみにその入浴後、二度と「お姉様」と呼ばれる事はなかった。

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