第2話 売り切れ

ホームでは10時にティータイムがあるので、スタッフは入居者様にオーダーを伺う。

その日は職員Aが紙を持ってひとりひとりに何がいいか伺っていた。

それを見て刺激された女性入居者Z様も後を追うようにオーダーを取り始めた。


職員A

「Yさんは何にします?」


Y様

「コーヒー!ブラックでね!」


A

「はい、ブラックね。Xさんは?」


女性入居者Z様

「Wさん、アンタ何にするの?ラーメン?」


W様

「いや、紅茶で‥」


A

「Xさんはカフェオレね、Vさんは?」


女性入居者Z様

「Vさん、アンタは?ラーメン?」


A

「‥‥。」


V様

「Aさんが困ってるだろ!」


A

「あっ!Vさん、大丈夫だから気にしないで下さいね。Zさんも手伝ってくれてありがとう。」


女性入居者Z様

「しょうがないねぇ!最近の若いお兄ちゃんはトロくってさぁ!ところでAさん、アンタは何にすんの?玉子焼きは売り切れだからね‼︎」


A

「あっ、え〜っと‥‥残念だなぁ〜!玉子焼き食べたかったのになぁ〜!」


V様

「‥‥大変だね、Aさん。」


A

「‥‥はい」



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