ここは舞台、私達は女優
穂波 類
第1話 アドリブ力が必要です
私の職場、それはいわゆる老人福祉施設。
いくつかの職業を経てたどりついた。
認知症の高齢者対象のホームの立ち上げスタッフとして私の介護士としての生活はスタートした。
オープンから1ヶ月。
担当のフロアのリーダーを命じられたのだが
メンバー5人の中で私以外は全員男性だった。
今後のケアを決める会議の終わりにまとめの言葉として私は言った。
「認知症の影響を受けて入居者様は色んな言動をするよね。心のサポートの為にもその都度その時の入居者様に合わせて行こうね!ここは舞台、私達は女優だよ!」
スタッフ達は答えた。
「アタシ、頑張るわっ!」
「アタシも!」
「アタシも!」
「良い演技しましょ!」
私:
「・・・ごめん。頼もしいけど女優じゃなくて俳優として頑張って。」
スタッフ達は答えた。
「いいのよ、女優で!」
「与えられた役を頑張るわ!」
「アタシも!」
「アタシも!」
私:
「・・・じゃあそんな感じでお願いします。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます