第7話

 20歳まで生きられないかもしれないと言われた赤ん坊に、20歳の誕生日が近づきつつあります。まさか20歳まで大学受からないというハメになるとは。


 ともかく、成人式は最初から行く気はありませんでしたが、受験の日は容赦なく近づいてきます。月刊OUTでボツくらっても次のハガキの締め切りまで頑張って投稿すればいいですけど、受験での次は1年後です。勉強しなきゃならない。

 佐藤忠志先生の講義やラジオ講座を録音したテープを、電車内でも寝る前でもヘッドホンで聞きました。単語の数は粟野邦夫の「1日で1323語暗記受験英単語」という英単語ダジャレ暗記本で乗り切ろうと頑張ってました。(後年、IT系企業に入社した後、この著者には「MS‐DOSってなんどすか?」で再度お世話になりました)

 地理と世界情勢を効率よく覚えるため、新聞のチェックも小まめにしてました。当時はゴルバチョフの時代で、世界情勢がどんどん面白くなりつつある時です。これから何がどうしてどうなるのか、それが知りたくて大学に行きたい、そう本心から思ってました。


 とにかく、今回はさすがになんとかなりそうだ。

 そう思っていた時、急転直下の事態を迎えます。

 肝臓の悪化による入院です。

 1987年の11月のことでした。

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