第4話 藤原DQNに染まる
髪の毛を金色に染めてみました。
染め方が汚いDQN仕様の金髪です。
えっへん。
なんか周りが安っぽいクレヨンみたいな髪の毛をしているのでそのくらい普通な気がします。
調子こいて眉毛も剃りました。
完全にやばい人です。
……完全に黒歴史ですが当時の私はそれが正しいと思ってました。
みんなやってるし普通だよと。
人間って置かれた環境が異常でも適応しちゃうんですよね。
電車の中にいる人でお前みたいな頭の悪い格好してるやつが何人いるよと正座させて説教したい。
世間様に謝らせたい。
タイムマシンがあったら自分を鍛え直して全員をぶっ殺せる殺人マスィーンに……
いや、そうじゃねえだろ!!!
金髪になった藤原ちゃんは電車に乗ってました。
おっと友人が同じ車両に乗ってました。
なんか彼女連れです。
もう一度言いましょう彼女連れです。
人が腐れDQNどもに悩まされる日々を送っているというのに、この野郎は幸せにキャッハウフフしてやがるのです。
……うん。
金髪にしたし、ちょっとからかってやろう。
これは聖戦です。
リア充という悪逆非道の輩を成敗する聖戦なのです。
私はリア充に蹂躙される非モテへを代表して野郎に近寄りました。
「よう兄ちゃん金貸してくれよ」
私は下からガンをつけながら野郎の胸倉をつかみました。
それは人生の中で二番目に頭悪そうな顔だったに違いありません。
たぶんこれが藤原の人生で一番楽しい思い出かもしれません。
なんの罪もない人を蹂躙するのって楽しい。やだー。
このとき心臓発作でも起こして死ねば幸せだったような気がします。
「す、スイマセン!」
野郎は瞬時に財布から札を抜きました。
私だと全く気づいてません。
このままでは強盗の現行犯です。
これがあれば欲しかったエロゲが買える……じゃなくて、はいドッキリ成功!
言っておきますがマジでカツアゲする気はありませんでしたからね!
マジでないですからね!
「おいおいおいおーい! 俺だよ。藤原だYO!」
ちぇけら!
予想外の展開に内心焦りまくってるのは皆様と私の秘密です。
「え? 誰?」
まだわかりません。
私は完全にただのヤバい人です。
「……いやだからオレよ。藤原よ」
「……誰?」
「あ、スイマセン……」
藤原は次の駅につくとダッシュで逃げました。涙目で。
読者様に誓ってお金は受け取ってません。
エロゲも自分のお金で買いました。
瞬時に縁を切られたのかそれともマジで藤原と認識されてなかったのか。
それはいまでもわかりません。
ちなみに彼女さんはかわいかったです。
かわいかったです!!!
末代まで呪ってや……じゃなくてスピード○ゴンはクールに去るぜ! ……泣きながら。
人間は二つの種類に分けられます。
クズとそれ以外に。
もちろん藤原はクズ側です。
それはバカどもと同じレベルに落ちた瞬間でした。
私はバカとは違う。
いいえそれは違います。
私もまたバカの仲間だったのです。
さてその後、金髪藤原ちゃんはどうなったかと言うと、毛染めのアレルギーで三日ほどあとから毛が抜けてきました。
円形脱毛症っぽくハゲました。
ガッツリ罰が当ったのです。
ガチで引きこもりました。
誰にも会わないもん!
幸い肩の手術と重なったのでセーフでした。
中学時代の仲の良い友人たちとも数ヶ月ほど会いませんでした。
藤原は体質的にDQNになるのは無理そうです。
うわああああああああああああん!!!
◇
なにかの罰でもないのに坊主頭になった藤原。
たった数ヶ月でクライスメイトのDQNどもと同じレベルまで落ちたし、この工業高校の生活にも慣れて……
慣れるかボケェッ!!!
はあはあはあはあはあ……
自らに心の中でツッコミを入れると私はトイレに行きたくなりました。
でも北館のトイレは使いたくないのです。
だって……
私は教室の後ろの方を見ました。
「はあはあはあはあはあ。M藤ちゃんトイレ行こうよ。トイレ行こうよ!!!」
M藤は男の娘です。
女装してないしかわいくもないけど男の娘です。
なにを言ってるかわからねえと思うけどこれは事実です。
ここの説明は藤原のSAN値がガリガリ削れるので適当でいいですか?
はいはい。アメリカの刑務所。アメリカの刑務所。
そんなM藤くんの首をトドのようなオークが舐めましてました。
Y岸です。
彼は野球部のなので誰もツッコミを入れませんし誰も行為をとがめませんでした。
藤原の通っていた学校では野球部は特権階級です。
ありとあらゆる刑事事件は野球部であるというだけで揉み消されますし、実際やりたい放題でした。
バットで人を殴っても怒られもしません。
つうか学校が揉み消してくれます。
教育ってなんでしょうね?
答え、権力者へ媚びること。
知能は低く、性格はオークの中でも特に暴力に特化されています。
要するに逆らうなということです。
私も彼らの存在をなかったことにしました。
え? 傍観者もいじめの加害者?
自分の身を守るだけで精一杯なんじゃ!!!
自分しか守る能力がないんじゃあああああああ!
「なあなあなあ。ちょっとだけ、ちょっとだけ。はあはあはあ」
「頼むから近づかないで……」
デスノート売ってませんか?
1万円までなら出します。
「M藤ちゃん! トイレ行こう!!!」
「お願いだからやめて……」
ゴルゴって高校生のお小遣いで雇えますか?
2万円までなら出します。
「てめえ誰のおかげでいじめられないと思ってるんだ!」
「う……うんわかったよ」
マジでジーザスとか雇えませんか?
ミキストリでもいいです。
持ってけ3万円!
というわけで私はトイレには行きたくないのです。
アメリカの刑務所的な理由で。
とは言っても出るものは出るものです。
耐えがたい尿意に逆らえず、私はしかたなく、嫌々、すんげえ嫌だけどトイレに行きました。
「あふん! あふん! あふん!」
トドの鳴き声のようなものがトイレの個室から聞こえました。
SAN値がガリガリ削れます。
この泣き声はなんだって?
やだなー言わせるなよ。
もう! セクハラはダ・メ・だ・ぞ★
※キモい死ねという抗議は甘んじて受け入れます。
オークさんは男の子もいける口でした。
ちなみに女の子でもいいそうです。
マジでこいつ死なないかなあ。
なるべく無残に苦しんで。
ちなみに後に私は彼を正当防衛で半殺しにするのですが、このときはそんなことを考えもしてませんでした。
いやホント。
暴力嫌いなのに。
人生ってどう転ぶかわからないよね。
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