元気がでる。
蹉跌した人間がたちあがるすがたにははげまされる。
個人的には純文学の方面を目指しているので、ライトノベル新人賞界隈の事情には悉皆うといのですが、一次選考落選がつづく爾時の絶望感、予選通過したときの高揚感は同様のものがあるでしょう。
落選は慚愧すべきことではありません。
英吉利では753冊の応募作を塵箱にすてられながら、念願のデビューをはたし、亡くなるまで執筆しつづけた作家がいるそうです。輓近、瀏覧した有名評論家による小説入門書には、《講座の卒業生にいつもいっているが、書きつづけることが才能である。五年十年書きつづけて、まだ書いているの、といわれるのが才能》《一作や二作の小説はだれでも書ける。書きつづけられる作家は滅多にいない》というようなことが揮毫されていました。著者が、あきらめずに《滅多にいない》作家になってほしいとおもいます。
亦、作中作の主題が、一貫して、人間愛、平和、平等をうったえていた部分も感動しました。