39話

午後の部が始まる時間になり

近くにいた先生に起こされる


午前と同じ場所に並び

午後の部が始まる

午後は漫才とかクイズとか面白いものが多くて

以外と眠気はいつの間にかに消えていた


南高際2日目が終わり

明日からはまた普通の授業に戻る


それからダラダラと帰る準備をして

ぼーと外を眺めてたらいつの間にかに先生の話は終わってて麻里達と帰る


門の前に悠人の姿が見えた


私は気づかないふりをしてそのまま通り過ぎる


「りか」

うしろから私を呼ぶ声がしたけどそれもスルー


すると今度は左手首を掴まれた

「りか!」


ゆっくりと振り返り

「なに?」

それだけ言うと悠人も不機嫌そうに「なんで無視すんだよ」と聞かれる


なんとなく答えたくなかった

そのまま黙ってると

「先帰るね」と麻里が私に耳打ちして

2人は先に帰った


「りか、悪かった。でもあいつの事も分かってやってくれよ。あいつは小学ん時から女子から嫌われてていつも1人だったんだ。だから俺らもなんかほっとけねーってゆーか。」


謝った次の言葉が桃ちゃんの話ってなんなの

余計にイラついた私は

「だからなに?私には関係ないじゃん。だいたいあの子が嫌われるようなことしてるから悪いんでしょ?」


私が冷たくいい放つと


「確かにそーだけど!…りかにはあいつと仲良くしてほしい」


その言葉に私は耳を疑った


「なんで?絶対嫌だよ?だってあの子悠人の事好きじゃん!」


私がいきなり怒鳴ると

悠人だけでなく

周りの他の生徒も私を見た


悠人が周りをみてから私の手を引き

「場所変えよう」と移動した先が近くの公園だった


「りか、俺はりかの事好きだよ。」


ベンチに座ってからの第一声がそれで

真剣な顔でそういう悠人にどきっとした


「でも、桃も大事なんだ。」


その言葉に泣きそうになる


「私の方が大事でしょ?」


自分が醜く感じてくる

これじゃあウザい女じゃん


「どっちが大事とかねーよ。りかへの大事と、桃への大事はちげーんだよ」


ついに泣き出した私に


「んで泣くんだよ」と笑い混じりに優しい声でそう言って私の頭をわしゃわしゃした


「りか、桃と無理に仲良くしてくれとは言わねー。でも俺と付き合ってる限り、あいつはりかに絡んでくるんだよ。だからうまく付き合ってやってほしーんだ、あいつと」


私の両ほほを両手で包んで

悠人の方へを顔を向けさせられる

悠人との目は真剣で、でも優しくて

まだ泣いている私の涙をそっと親指で吹いてくれた


悠人の目を見てたらなんか落ち着いて


しばらくして出た言葉が「がんばる」だった


自分でもビックリするくらい鼻声で

悠人にも「なんだよその声」って笑われた


それから家まで送ってもらい

悠人とは「また明日」って言って別れた


泣いて目が腫れてる私の顔を見て

お母さんが心配してきたけど

「南高際が素晴らしすぎて感動したの!」って無理のある嘘でごまかした





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る