31話
あっという間にお兄ちゃんと悠人が帰る日が来た
夕方にはお母さんが帰ってくる
「おはよ」
リビングに行くともう悠人とお兄ちゃんが居た
私は椅子に座って朝ごはんを食べる
「今日でお兄ちゃんのご飯も最後か〜」
ご飯を食べながら寂しそうにそう言うと
「別に遠くに行くわけじゃないし、りかにお願いされればいつでも作りに来るよ」
笑いながらそう言われた
悠人とはやっと会話量が増えてきたのに
また会えなくなるんだと思うとなんか気分が沈む
お母さんが帰ってくるまでみんなで何かしよう!って事になって
お菓子を作る事にした
まぁ、私が言い出したんだけど
悠人はクッキー、お兄ちゃんがチーズタルトを作ってくれた
もちろん私はプリン
プリンしか作ったことないから
自信を持って作れるのがプリンしか無かった
その後はみんなで交換して食べた
悠人の作ったクッキーは
形はなんとも言えないくらい微妙で丸なのか四角なのかよくわからない形だった
でも食べてみるとサクサクで焼き加減もいい感じで私好み、すごく美味しかった
お兄ちゃんのチーズタルトはお店で売れるくらい美味しくて、口の中でとろけるチーズに幸せいっぱいになった
満足するまで食べた後
後片付けはお兄ちゃんに任せて
悠人とソファに座り録画していたドラマを見る
「悠人ってさー勉強して無いのにすっごい頭いいよね」
「なわけねーだろ。そんな奴漫画の中くらいしかいねーよ」
「悠人が勉強してるところなんて見たこと無いよ」
「そりゃー見せてねーし」
「じゃあ勉強してるの?」
「たりめーだろ」
お互い目線はテレビのまま会話をする
ドラマを見ながらなんとなく悠人の勉強してる姿を想像しようとするけど、どうしても勉強してるイメージが無さ過ぎて無理だった
お兄ちゃんはいつの間にか片付けを終わらせて部屋に戻っていた
ドラマが終わってテレビを消す
急にリビングが静かになりなんとなく気まづい空気になったのを壊したのが「ただいまー」というお母さんの声だった
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