15話
お兄ちゃんはノックせずに入って来るし
悠人くん?と思い
どうしよう!とパニックになる
悠人くんが私に何の用??
コンコン
「いないの?」
私が返事しないから
二回目のノックがなって悠人くんの声がした
「あ!います!」
このまま無視して怒らせてもヤバイと思い
返事をしてドアを開ける
ガチャ
「もしかして寝てた?」
悠人くんが少し申し訳なさそうな顔で見てくる
「う、うん」
返事をしなかった言い訳が他に思い浮かばなかったからとりあえず寝てたことにしよう
と思い、とっさに嘘をついた
「ごめん。あのさ、これ行く?」
いきなりスマホの画面を見せてくる
そこには麻里からの海に行こうというお誘いメールが開かれていた
麻里、行動早っ
嘘はつけないし「うん」と答えると「そっか。起こしてごめん」とだけ言ってお兄ちゃんの部屋に入っていった
なんだったんだ
もしかして…
お前が行くなら行かねーってやつ?
私そんな嫌われてるの!?
どうしよー
もし麻里にそうやって返信したら
「りかが居ると悠人来ないからこれから悠人と遊ぶ時は来ないでね」
って感じになっちゃう!
それだけは嫌!
阻止せねば!と思い急いでお兄ちゃんの部屋に入る
ガチャ
「待って!私海行かないから、悠人くん海行ってあげて!」
「なになになに」
いきなり入ってきた私にビックリするお兄ちゃん
悠人くんはスマホを持ちながら「え?」という顔をしてこっちわ見ている
お兄ちゃんをスルーして悠人くんのところまで行ってスマホを覗くと
[ 行けるよ ]と麻里に返信していた
あれ?
行ける?
「これって…海のこと?」
画面を指差しながらそう聞くと
「うん」
悠人くんは頷く
頭が真っ白になった
「どうしたいきなり」
お兄ちゃんが笑いながら隣までくる
「あ、いや、なんでもない!なんでもない!気にしないで!ちょっと、まだ寝ぼけてたみたい!あははははははー」
バタン
精一杯の作り笑いで誤魔化して部屋から出る
直ぐに自分の部屋に戻って
ベッドにダイブ
やらかしたー!
なに早とちりしてるんだ私は!
絶対頭おかしい奴って思われたよ
どうしよー
てゆーか
悠人くんがあんなこと聞いてこなければこうはならなかった!
うん。私は悪くない
私は悪くない
「私は悪くない!」
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