16話


あれからなんとなーく悠人くんと顔合わせにくくて、なるべく部屋から出ないようにしてると


コンコン


ドアをノックされた


ノックするってことは、悠人くんだよね

そう思いながらそーっとドアを開けると


お風呂上がりなのか髪が濡れていて

首にタオルをかけた悠人くんが立っていた


「風呂、入ってってりくが言ってた」


「あ、わかった」


私が返事すると「じゃあ」と言って階段を下りていく


てか、お兄ちゃんの事呼び捨て!?

後輩だよね??


まぁ、一緒に住んでるんだしそれ位仲良いって事でなのかなー?


てか、なんで一緒に住んでるの??

今まで気にもしなかったけど

おかしくない?

高校生だよね?同級生だよね?

なんか、訳あり?


あーすっごい気になってきた


とりあえずお風呂入ろ


着替えを持ってお風呂に行く


湯船に浸かりながらいろいろ考える


「どーやったら仲良くなれるかな」


まだまだ長いのにまともに話せないのはマズイでしょ…


どんな話題ふればいいんだろう


安井くんの話とか…?


いや。無いな


プリンが好きなんだっけ

プリン買ってきたら懐かれるかな…?


いや。そんな単純なわけないか


長風呂してたら頭がボーッとしてきたからお風呂をあがった


喉が渇いてリビングに行くとお兄ちゃんが1人でテレビ見てた


「悠人くんは?」

私がそう聞くと「部屋で課題やってるーりかもちゃんとやれよー?」

「もう終わってますー!」

なんか、課題やってるとか意外だなーと思いながらもお兄ちゃんにベーっと舌を出す


すると「お!偉いじゃん!」と言い私のところまで来て頭をわしゃわしゃしてきた


「もー!やめてよ」


「はははっ!」

笑いながら冷蔵庫を開ける


髪を整えながらお兄ちゃんをどかして冷蔵庫から水を取ろうとすると冷蔵庫の中を見てビックリ


焼きプリンにプッチンプリン、ミルクプリン、かぼちゃプリン、豆乳プリン…


「なにこれ」

私が大量のプリンを見て固まってると


「あー!俺と悠人のプリン!りかも食べていーぞ!」


いや、そうじゃなくて…

「なんで、こんなにあるの?」

と、私が聞くと

当たり前みたいな顔して「食いたいから」

そう答えた


ダメだ着いてけない

大体私プリンよりゼリー派だし

まぁ、食べるけど


焼きプリンを手にとって冷蔵庫を閉める


お兄ちゃんはミルクプリンを食べながらテレビを見てる


焼きプリンを食べながらお兄ちゃんの横に座ってテレビを見てると


「あ」

声がした方を見ると悠人くんが立っていた


私が食べている焼きプリンを見てる??


「あ!お前焼きプリンはダメだよ〜!悠人のお気に入りなんだから」


お兄ちゃんが私見てそう言う


「え!?うそ!?てか、お兄ちゃんそんな事一言も言わなかったじゃん!」


バシッとお兄ちゃんを叩いて

ほぼ食べ終わってるプリンを机に置いて悠人くんに謝る

「ごめんね!明日ちゃんと買ってくるから!」


悠人くんは表情一つ変えずに「別に、いいよ」

とだけ言って2階に行ってしまった


どーしよー

絶対怒ったね

お兄ちゃんのせいだ!


ギロッとお兄ちゃんを睨む


「そんな睨むなって!謝っただろー?」


反省が見られないお兄ちゃんに「謝って済んだら警察はいらない!」と一言言って自分の部屋に行く


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