12話
夏休みが始まって10日がたった
毎日暑くて出かける気にもならないし
お兄ちゃんはあの日の次の日に帰って家はまた静かになった
どんどん進んでいく課題
ふと数学の問題を解いている手を止める
「何してんだろ」
ため息が出る
夏なのに夏らしいことまだしてない!!
いや。スイカ食べたか…
もう直ぐで夏休みの課題が終わりそう
あと数学が少しと、科学のプリント2枚だけ
ここまでくると終わらせちゃいたくなる
「よし!」
気合を入れて数学の続きをやる
朝からずっと課題をやりお昼には課題が全て終わった
「課題終わるとやることないなー」
スマホを見ると皆んなから[ 海なう〜 ]
とか[ in ハワイ!! ]とか画像付きで送られてくる
「羨ましいぃー!!!」
お昼ご飯を求めにリビングに行くと
お母さんが電話で誰かと話していた
「そうなの!?えー!うれしい!!うん!うん!わかった!じゃあね」
すごく笑顔で電話を切るお母さん
「誰と話してたのー?」
「ん?お父さん!」
お父さんか
「ふーん」
興味無さげな反応をすると
お母さんが嬉しそうにペラペラと話し出した
「お父さんがね、2週間休み取れたんだって!でも、帰って来るのは難しいからお母さんが旅行がてらに向こうまで行ってくるね!」
え?
向こうってアメリカだよね?
お父さんは今アメリカに出張中で
「ってことて、りかちゃんはお兄ちゃんの家にしばらく泊まって欲しいの!」
なにそれ!
「ちょっ!ずるいよ!私も連れてってよー!アメリカ行きたい!」
「だってーりかちゃん出校日あるでしょ?」
あ、そうだった…
流石に南高祭の準備もあるし
休むわけにはいかないか
「はぁー」
明らかに落ち込んでる私にお母さんが追い打ちをかける
「明日の朝には空港に行くから、今日の夜までにはお兄ちゃんの家に行ってね」
「は!?」
「ほら!準備準備!」
お母さんはルンルンでキャリーバッグを2つ持ってきて一つを私に渡す
お兄ちゃんと1日中一緒とか嫌すぎるー!
麻里とか泊めてくんないかなー
あ、麻里ハワイだったわ
みぃことか親厳しいしなー
「別に家出1人でも良いんだけどなー」
私の呟きにお母さんが反応する
「ダメよ!りかちゃん料理できないでしょ?洗濯だって…心配なの!」
「はーい」
家のことが全く出来ない自分を恨む
なんで今までやってこなかったんだー!後悔しても遅いか
とりあえず着替えと、必要なものを詰める
まぁ、足りなければまた取りに来ればいいし
ん?
待てよ
「お母さん、お兄ちゃんがこっちに来るってのはダメなの?ほら、お兄ちゃん着替えたかも全部あるし、私が行くより楽じゃない?」
「あー確かにね!じゃあお兄ちゃんに聞いてみて」
「おっけー」
お兄ちゃんにメールを打つ
[ 2週間だけ帰ってきて!お母さん、お父さんの所行くから!帰ってこないと一生口きかないからね!! ]
「これでよしっと」
送信
お昼ご飯を食べてテレビを見ながらメールの返信を待つ
夕方になってやっと返信が来た
[ 一緒に住んでる奴連れて行くけどいい? ]
ん?
え?
お兄ちゃん一人暮らしじゃないの!?
もしかして彼女かな?
まぁ、いいや
部屋にこもってれば会うことも無いだろうし
[ いいよ 明日の朝には来てよね ]
よし、なんな眠くなってきたし寝るかー
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