2話

早く帰りたかったのに先生に止められて学級委員の私と田中くんだけが教室に残された


しばらくすると他のクラスの学級委員も集まってきた


学年主任の中山先生が「遅くなってごめん」と言いながら教室に入ってきて出席を取り始める


全員いることを確認すると黒板に何か書き出した


なんこうさいについて…


バンッと先生が黒板を叩き

「南高祭だ!」とキラキラした目で嬉しそうに言った


あー2学期始まってちょっとしたら文化祭なのに

まだ何も決めてなかったな〜


「今から各クラス、くじ引きで何をするか決めるから、男女どっちかの代表が前に来い」


私はどうする?という顔で田中くんを見ると

「じゃんけんにしよっか。勝った方が代表で」

と、私の表情を見事読み取ってくれた


「おっけ」と返事をしてじゃんけんをする


「じゃんけんぽん」


田中くんの手はグー


私の手はパー


勝っちゃった


しゃーないと思い「よしっ」と勢いよく席を立ち前へ行く


「よし、代表決まったな。じゃあ1組から順番に引いていけ」


先生がそう言った時6組の男子学級委員が

「それはないですよ先生〜それじゃあ俺ら選ぶ権利無いじゃ無いですか〜」と不満気に言った


まぁ、最後のクラスの6組は必然的にあまり物になる


私は別に4組だし特に気にしなかったけど、確かに不公平だ


すると先生が「じゃー一斉に取れ!」と言った


教室がざわつく


早いもの順ということか…


よし!

私は狙いを決める


振り向いて田中くんにグッドサインをする

私的には任せとけ!って意味だったんだけど

田中くんはよく分かって無いようで首を傾げる


「せーので取れよ。せーのっ」


バッ


よしっ!狙ってたやつを取った


文字を見てみると


「模擬店」


んー良いのか悪いのか…

とりあえず田中くんに文字を見せる

頷いてるけど、良いってことなのか??


「1組から何になったか順番に言って」


「展示です」

1組の学級委員が残念そうに言うと


まぁ、文化祭で展示とか一番つまんないよねー

見にくる人少ないし


「模擬店です」

お!2組もか〜


「3組お化け屋敷です!」

3組学級委員が嬉しそうに答える


うーお化け屋敷かーいいな〜

そう思いながらも「4組模擬店です」と答える


その後も順番に答えていき5組は射的、6組は写真館だった


まぁ、展示以外は普通に良いし当たりなのかな


そう思いながらも席に着く


「じゃあ、詳しいことは担任と話し合ってしっかり決めて行ってくれよー!解散!」


と言って中山先生は帰って行った


私が田中くんに「どうする?」と言うと

「とりあえず、模擬店は2個出せるらしいから何個かやりたい候補を上げてクラスでアンケートを取ろうか」と答えた


田中は何を聞いてもちゃんと答えてくれるから好き!


「わかった!じゃあ明日にでも何個か候補をメールで送るね!」


もうお昼はとっくに過ぎててお腹ペコペコだし

私は田中くんにそれだけ言ってバイバーイと手を振りながら教室を出た


スマホを見ると麻里からメールが来てる


[ さっき言い忘れたけど明後日、北高と合コンだから!北高だよ北高!!もーたのしみっ!てことでよろしくね〜 ]


え、え、え…


いきなり過ぎやしませんか麻里さん…


まー麻里らしいっちゃ麻里らしいけどねー


最近彼氏と別れて出会い求めてたしね

そろそろ合コンやるんじゃ無いかと思いました


北高かー

またレベル高いなー


北高はこの辺で一番頭良い高校

私の高校もそこそこ頭良いけど

受験では北高を受ける人が滑り止めで南高を受ける。らしい…

私は第一志望で南高に入ったから噂で聞いたくらいしか知らないけど


北高は無理って分かってたから調べた事も無いし。頭良いって事くらいしか知らないな〜


北高に知り合いも居ないし


でもなんか想像できる


きっと真面目くんが勢ぞろいしてるんだろうな〜

てかよく合コンなんておっけいしてくれたよね

意外過ぎる。まぁ、真面目くんも恋くらいするか!


真面目くんを想像してたらメガネに七三分けが思い浮かんできて笑えてきた


そんなこと考えながら帰ってたら、いつの間にか家の前だった


「ただいまー」


リビングにいるお母さんに一言言って

部屋に行く


とりあえず麻里に[ 了解!女子のメンバーは?]と返信した


暑くて汗もかいたし、とりあえず制服を脱いでシャワーを浴びようと思いお風呂に向かった

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