ばいばい、パンドラ
まずはじめに言っておく。
私はパンドラの箱庭というクランが好きだ。
今でもずっと好きだ。
だが、私はパンドラを離れることに決めた。
パンドラは私のような隠居者がフレチャレ目当てに居座っていいクランではないからだ。
チームワークをもって対戦に勝利する、それがクランの理念であるならば、対戦に参加する気のない私はいちゃいけない。少なくとも、かつて運営に携わった私がそれをやったらおしまいだ。
だから、私はパンドラから離れよう。
さみしくないと言ったら嘘になる。
私のクラクラライフは常にパンドラと共にあった。
パンドラこそが私のクラクラのすべてだったのだ。
けれどもそれももう終わり。
隠居した時点でとっくに終わっていたのだろうけど、こんどこそ本当に終わり。
パンドラは私のホームじゃなくなってしまう。
泣いたりはしないよ、これくらいで。たかがゲームじゃないか。
だけど、笑うことはできないな。
ずっとお気に入りだったなにかを失ったとき。たとえば幼いころにはじめて買ってもらった自転車や、いつもかぶっていた阪神タイガースのキャップだとか、卒業して背負えなくなったランドセルなんかを手放したとき、こんなふうに感じたっけ。
これからを思ってわくわくしてるのに、なんだかさみしくて笑えない。
この気持ちにけりをつける言葉はこうだ。
「今までありがとう」
さて、私はパンドラを離れる。
もう戻ることはないだろう。
でもまたいつかどこかで一緒に遊べたらいいな。
ばいばい、またね。みんな元気で。
放置村より愛をこめて ダチヒロ @dachihiro2015
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。放置村より愛をこめての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ありふれた大学生の日記最新/花空
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 279話
花かんざしの独り言最新/花簪
★10 エッセイ・ノンフィクション 連載中 31話
兼業主婦のひとりごと🌱最新/海空
★48 エッセイ・ノンフィクション 連載中 11話
猫との暮らしまであとX日最新/嵯冬真己
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 142話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます