第9話 なぜわたしが円高を支持するのか

なぜ、わたしが円高を望むか。それは、こういう世界観をしているからです。


 冷戦終結後の世界をアメリカ一極集中から、多極化し、発展途上国をすべて近代化します。

 すべての発展途上国は自国の自立を目指し、工業製品の自給自足を目指します。

 つまり、石油利権に頼って自国の産業を育てないイスラムや、

 一日二時間の労働で暮らしていける狩猟採集生活を望んでいたアフリカにも、

 働いてもらい、工業を発達させてもらいます。


 そのためには、日本は輸出産業の拡大を目指すべきではありません。

 日本人は日本のために働きます。


 すると、日本はかつて加工貿易の利益で高度成長しましたから、

それに比べて、輸出産業は停滞し、日本人の平均給与と、GDPは下がります。


 日本はすでに90%が内需産業だとどこかで聞きましたが、この数字は確認していません。


 そのためには、円安して、海外のために働き、

残業地獄をサーヴィス残業でこなすような企業体質は改善されます。


 だから、わたしは中国の発展も、インドの発展も、ブラジルの発展も、インドネシアの発展も、

望んでいます。


 重要なのは、ここでは平和が保たれることが大前提だということです。

 中国のように好戦的に侵略しようなどという思想は叩き潰さなければなりません。


 わたしは、発展途上国の発展をずいぶん前から応援してきましたが、

発展した中国のような国が戦争を起こすのであれば、この計画はすべて失敗です。

 中国が平和を選択してくれることを望んでいます。



 すべての国が自立するべきだというのは、ユーロの失敗を受けています。


 ユーロが成功していた時、2005年頃は、

わたしはこのまま、世界の国境を減らし、地球共和国をつくるつもりでした。


 ですが、知ってのとおり、ユーロは失敗しました。

 自国の発展は、自己責任でなければならない。

 だから、東アジア共同体も、日中韓FTAも、TPPも、反対します。

これらは、ユーロの成功から導き出した発想であり、

ユーロが失敗した今、目指すべきではありません。


 だから、すべての国が自己責任をもって、競争原理を保ち、軍事均衡を保ち、

発展するのが望ましいのです。


 だから、わたしは円高を支持します。

 円高の方が、日本の経済価値が高くなり、豊かに暮らせるからです。

 他国のために働き、儲ける必要はありません。

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