第8話 デフレなのは日本の消費者が安くて良い商品を求めているからでしょ
わたしは、病気で会社を退社して、のち職を転々として今、無職ですが、
五年くらい前に、自動車組立工を短期間やってました。
これは、企業秘密だったかもしれないですが、
自動車の部品は、2万個あり、一台の自動車を組み立てるのに700人の組立工が
それぞれの作業を受け持ち、ひとつのミスもないようにひとりで十個ぐらいの部品を組み付けます。
ひとり、一日千台に対して組み付けて、それを毎日くり返し、自動車は作られています。
作業の機械化も進んでいますが、日本は何十年も前からの産業ロボット先進国ですが、
まだ、ロボットではできない作業工程が一万個以上の部品にあるのです。
経済とは、こういう作業員の労働の積み重ねで成り立っております。
それを、去年会った定年した元人事のおじさんは、
能力がなければ、使い捨ての肉体労働者にされて、首をきられてぽいだ。
いまの若者には、勇気も能力もない、と評していました。
こんなことをいう人が人事なんですよ。信じられますか。
その元人事の人がいうには、自分は成功率20%の試験に受からなければ首だといわれて、
合格して、昇格したとか自慢していますた。
今の若者に成功率20%の試験を首をかけて挑戦できるやつがいますか、いないでしょ。というんです。
その試験に挑戦できないようなやつは使い捨てで首を切られてちょんだ。というんです。
また、サークル活動でリーダーとしてがんばりとかみんな面接でいう。
それで、あなたは会社に対して何の貢献ができますか、というわけですよ。
そんな若者はいらないんです、というんです。
そりゃ、ただサークルで遊んでいただけの大学生に魅力を感じないのはわかるんですが、
これが会社の人事の人の本音ですよ。
出世して権力をもてなかったやつらはみんな人生の負け組みたいにいうんです。
つまり、出世する前の若い世代はみんな負け組の会社の使い捨てだというわけです。
信じられますか。
四十代になる前に管理職になれる人はほんのわずかだと思いますし、
特殊な中小企業あるいはベンチャーの人だと思いますが、
つまり、この元人事のおじさんにいわせれば、管理職になれてない若者はみんな使えないんです。
経済というのは、労働者の小さな労働付加価値の積み重ねでできています。
それが理解できない人に人事なんてやってほしくないです。
ネットで調べた自動車組立工については
先進国自動車メーカーの製造は
費用に占める部品購入費の割合は70~80%に達する。
とあります。
最終売店の売上は、その商品に関わった全下請け企業の人件費に等しくなります。
これは経済学です。
つまり、自動車の部品購入費70%の値段は、これに関わる部品製造労働者の人件費に等しくなります。
一台の自動車をつくるのに、前述したひとり十個の部品を組み付けている労働者以外にも、
その数倍の労働者の労働付加価値(部品製造業者の人件費)によってできているということです。
ちなみに、自動車組立工はほとんど高卒であり、大卒の組立工はわたしひとりでした。
大卒でもまったく優秀な組立工ではありませんでした。
また、大学で習ったことが仕事にいかされるということもあまりないです。
わたしが優秀でない組立工だったことで、自動車メーカーの人事データに大卒は使えないと記録されたかもしれません。
で、なんでしたっけ、こいう労働者の人件費が円高で高いから、
海外の安い労働者を使うため海外に工場を作りたいといってるんでしたっけ。
インフレ派の理論によれば、日本の労働者を高い賃金で雇えば、
日本の労働者が高い給料でたくさん消費しますので、それで日本経済は豊かになるはずですが、
そうなってませんね。
なんでなんでしょう。おかしいですね。三橋貴明さんなどの公共投資拡大派の方またはその支持者に聞きたいですが、
なぜ、公共投資をする代わりに、円高で日本の労働者に高い賃金を払ったらダメなんですか。
わたしにはわかりません。
安部晋三さん、またはその支持者にも聞きたいですね。
安部総裁がもし総理大臣になったら、財政拡大するつもりなんでしょ。
その根拠がわかりません。
失敗したとわかりきったケインズ政策をくり返すんですか?
答えはわかりきっています。
供給は、需要供給曲線によって決まり、
供給である給与は、消費者の需要に等しくなります。
つまり、消費者が安くて良い商品を求めている今の日本の国民には、
デフレこそがふさわしいのです。
原価5万円の時計や鞄を100万円で買って喜んでいたバブル世代の価値観は、
今の日本の国民は望んでいないのです。
本当に便利な道具、機能性を求めたクールな価値観をしているのです。
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