第5話 自由主義(リベラル)と新自由主義(リヴァタリアン)

 現代思想といいますと、資本主義対共産主義という構図はもうほとんどなくなりかけており、

今は、自由主義(リベラル)対新自由主義(リバタリアン)という対立が主流です。


 自由主義(リベラル)というのは、政府が積極的に弱者を救済し、産業を支援し、

国民の最低限の生活を保障するべきだという考え方です。

現在、世界で最大多数に支持されている理念です。


 新自由主義(リバタリアン)というのは、自由競争が望ましいため、小さな政府を目指すという考え方です。

リベラルの次に主流な理念です。


 自由主義と新自由主義が真っ向から対立するのは、よくわかると思います。

 代表的な人物をあげると、

 国民最小不幸社会を説いた管直人がリベラルの代表です。野田総理もこの路線を踏襲しており、

だから、今の日本では、生活保護や障害年金受給者が増えています。

 生活保護の金額の設定には慎重な議論がいるでしょうが、これが世界の流れです。

日本だけではありません。


 新自由主義リバタリアンの代表は、規制緩和を行い、非正規雇用者を増やした小泉純一郎です。

まあ、批判する人は多いですが、公務員費用の二割削減を実現した小泉の功績は確かなものです。

小泉は、憲法上、軍事衛星と呼べないため、多目的衛星の名で、日本独自の偵察衛星を打ち上げています。

 大臣一人では、官僚に対抗できないため、大臣を補佐する政務官を大幅に増やし、

政治家が大勢で、官僚に対抗できるように政治主導を目指したこと。

 また、小泉の最大の功績は、小泉の選挙の頃から日本でマニフェスト選挙が定着したことでしょう。功績は大きなものです。



 みんなの党は、小さな政府を目指す新自由主義です。


 ちょっと視点を変えると、アメリカは、民主党のオバマがリベラルで、共和党が新自由主義になります。



 安部晋三が、リベラルなのか、新自由主義なのかはわたしは知りません。

 橋下徹についても知りません。



わたしはボトムアップで経済を論じるべきだと主張して、

それは新自由主義ですかと指摘されたことがあります。


わたしは新自由主義者ではありません。リベラルです。

わたしがまちがっていました。



経済は、ボトムアップとトップダウンの両方から打ち立てるべきであり、

どちらの片方を抜かしてもうまくいかないはずです。



トップダウン経済ばかりを論じる人が多いので、嫌になってしまいますが、

完全なトップダウン経済は、ソ連の崩壊により、競争原理が働かないため失敗することはわかっています。

公共投資の金額を増やそうとする人たちにはそれを注意してもらいたいものです。


ゼネコン産業は、今は、十兆円規模ぐらいです。たぶん、市場的な適正水準はこれくらいなのでしょうけど、

これを何十兆円も増やして、拡大しようとする人たちは本当に多いです。

利権にからんでいるのかどうかはわかりません。

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