第4話 金(きん)の価格は七割が歴史的先入観

金の各国の中央銀行の保管率はこうなっています。



<2009年6月時点の公的機関金保有量ランキング (World Gold Council)>

■米国 ⇒ ①8,133トン ②78.3%

■ドイツ ⇒ ①3,412トン ②69.5%

■IMF ⇒ ①3,217トン ② -

■イタリア ⇒ ①2,451トン ②66.1%

■フランス ⇒ ①2,450トン ②73.0%

■中国 ⇒ ①1,054トン ②1.8%

■スイス ⇒ ①1,040トン ②37.1%

■日本 ⇒ ①765トン ②2.1%

■オランダ ⇒ ①612トン ②61.4%

■ロシア ⇒ ①536トン ②4.0%

■ECB ⇒ ①501トン ②18.3%

■台湾 ⇒ ①423トン ②3.8%

■ポルトガル ⇒ ①382トン ②90.3%

■インド ⇒ ①357トン ②4.0%

■ベネズエラ ⇒ ①356トン ②36.5%

■英国 ⇒ ①310トン ②17.9%



早い話が、アメリカが断トツです。


で、これを元に、金本位制に戻した時、アメリカが最も信用ある貨幣となるなどと主張する人がいます。


しかし、本当にそうでしょうか?



現在流通している金の7~8割は装飾用に用いられています。


つまり、金の工業的価値は、現在の価格の2割から3割だということになります。



金に資産的価値があるなど、歴史的先入観から来る妄想です。


アメリカ、中国、インドなどが積極的に金を資産として購入していますので、


金の価格は上昇するでしょうが、


それは虚構の需要にもとづいた根拠のないバブルです。



金の価格は、2012年9月29日の相場で、1グラムあたり4685円です。


上昇傾向にあります。


投資するものとして、この金への歴史的先入観にもとづいた投機を行うのもひとつの手段です。


しかし、金の適正価格は、この3割であり、7割は過去の歴史的先入観にもとづいた虚構です。



くれぐれも、金の価値などに踊らされないようにしてください。


紙幣が価値をなくした時、いくら金をもっていても、腹のたしにはなりません。


だからといって、今、信用できる投資先は何かと聞かれると困ってしまいますが。



ドルが基軸通貨なのは、金の保有量などはまったく関係なく、


「原油の決済に使われる通貨が、基軸通貨である」


というのが常識です。


金より石油に投資しましょう。



なお、金という元素は、地球には、


「金の埋蔵量は、たったの50mプール1つ分だけ」


しかないそうです。


ですが、


金の埋蔵量は、ガリウムとたいして変わらない1650.000トンだし。

タンタルの埋蔵量は、43.000トン、

インジウムの埋蔵量は、2500トンと、

もっと貴重な金属はある。



金という元素に誇大な幻想を抱かないようにしましょう。


金本位制などにしても、金をほしがる人は、工業需要しかないと思った方がいいです。


金本位制にしようなど、まったく経済を理解していない妄言です。

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