第2話 インフレが経済成長でない根拠

わたしはデフレ派です。



日本では、明治何年かに作られた一円金貨が、今、5万円です。

日本は、150年で5万倍のインフレをしましたが、

150年前の5万倍の豊かさだと思いますか?


インフレで豊かになるなど、幻想ですよ。

経済は、科学として計算するためにはっきりと数値のでる金額で計算されがちですが、

経済において大切なのは、より効率の良い労働付加価値の蓄積であり、

金額がそのまま豊かさになるのは、経済効用の計算しまちがいだと思います。



明治四年の円制定からでなくても、明治三十年から比べて、二万倍のインフレだけど。

我々は、明治三十年より二万倍豊かな暮らしをしているのかな?

100年で二万倍の豊かさになったんだ?



おれは経済による分業の発達は、五万倍くらい豊かになっても

不思議ではないとはなんとなく考えているけどね。


アーミッシュなどの経済と比較して、現代経済の労働付加価値の形成の仕方が

いかに効率が良いかの統計をとりたいけど。

やってくれる人いないかなあ?




■それに対するインフレ派の反論



明治時代から現在までの金価格の推移グラフ

http://blogs.yahoo.co.jp/fpmanjp/GALLERY/show_image_v2.html?id=http%3A%2F%2Fimg2.blogs.yahoo.co.jp%2Fybi%2F1%2F1f%2F67%2Ffpmanjp%2Ffolder%2F32984%2Fimg_32984_13809583_0%3F1315361942


このように金の価格はかなり一定に保たれています。

金相場は世界情勢と深く関係していて、安定している時期はほぼ一定なのです。

戦後は1951年からニクソンショックまでは、金1オンス600円から700円ぐらい。

ベルリンの壁崩壊からリーマンショックまでは金1オンス1000円から2000円ぐらい。

世界情勢が安定している時期の金価格が適正な金価格と考えられます。

日本の名目GDPを見てみると、1955年は8兆3695億円、1971年は80兆7013億円。

インフレで十分豊かになっているでしょう。

デフレ期は、1991年の名目GDPが469兆4218億円、2011年の名目GDPが468兆738億円。

全く豊かになっていないのが分かるでしょう。


この見方は金融の面から見ると正しい見方です。

そして、資本主義の本質は金融なのです。



年次金価格推移 田中貴金属工業

http://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/y-gold.php



■わたしの反論



わたしは豊かさは金額では測れないという話をしている。

1955年から1971年には日本は十倍に豊かになったけど、

1991年から2011年には日本はまったく豊かにならなかったというんだね?

その間に、インターネット網を完備して、全家庭にパソコン、携帯、カーナビが普及したのに?

何か、おかしくないかね?



扇風機おすすめ。

おれは毎年、夏は扇風機ですごしているよ。

エアコンより気持ちいい。


二十年前の日本家庭では、扇風機が一家に一台だったんだから、それを思えば、

すごく暮らしは豊かになった。

今は、エアコン三台に、扇風機六台ある。

夏は、扇風機の前に座り込んでいた。そんな昔に比べれば、遥かに豊かな社会だ。


で、インフレ派の人たちは、日本が二十年間で豊かになってない、貧乏になったといってるんだっけ?

おかしいね。



インフレ派の大好きなインフレ期に重視されていたのは「ものづくり」であり、

金融ではありません。



■インフレ派の反論



インフレ期には日本のものづくりは順調でした。

しかし、デフレが20年続いてどうでしょう。

デフレでは新規投資が出来ないので、既存の枠組みでのものづくりとなります。

だから、新製品が目白押しだったインフレ期と違い、デフレ期では新しい商品が出てきません。

デフレでは借金が負担になるので、思い切った事が出来なくなるのです。

そのせいで、に既存の大企業も思い切った設備投資も出来ず、国内市場は縮小します。

つまり、既にある大企業もデフレで衰退するのです。

新規起業は出来ず、大企業までもが衰退する、これが20年デフレの結果です。


ゆとり教育による学力低下、国民のコンピューターリテラシーの低さ、多くのハンデはあります。」

それでも、日本国民の創造性自体が衰えたのではありません。

デフレによって発揮出来なくされているのです



■わたしの反論



>デフレでは借金が負担になるので、思い切った事が出来なくなるのです。

>そのせいで、に既存の大企業も思い切った設備投資も出来ず


というニュースを聞いたことはありません。インフレ派の考え出した根拠のない話です。

デフレでは、買った設備が価値を増すので、デフレだからといって設備投資がしにくいわけではありません。



消費税増税も電気代上昇もインフレなのに、その経済効果を論じないのはおかしい。


公共投資論者にいいたいのは、電気代が上昇して、電気会社社員が消費を増やし、

経済波及効果があるのは、公共投資と同じはず。



わたしは現在の若者は、デフレが始まるより前の若者より遥かに幸せであると考えており、

未来は、さらにデフレが続いたとしても幸せになると考えています。


何度もいいますが、二十年前の日本の幸せには、コンビニが作られ始めたばかりで、

ネットもなく、携帯も、カーナビもなかった時代です。

GDPがいくら下がろうが、日本の経済がこの二十年で遥かに幸せになったのは

まちがいがありません。

デフレ不況などということば事態が嘘なのです。

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