第3話 はじまる学園生活
今日は授業のほとんどがオリエンテーションといった具合だった。
一時間目は理科。
「はい、私は理科のエマージェンシー尾田です。ニックネームは顔が金魚に似てることから”金魚に似てる男”と親しまれています。」
どうなったらそんなニックネームになるんだ……と思いつつ次。
二時間目は体育。
やはり先生は予想通りお決まりのやつ系だった。
「どうもー!やっほー!うひょひょひょー!体育の汗水流男、あせみずながしおっといいまーす!」
異常なテンションの男の説明は終わって次。
三時間目は数学。
これもやはりは予想通りの眼鏡をかけたやつだった。
「えーとですね、私はー、数学が大好きな(たけみつジェネレーターたなか)といいます。」
(なんじゃそりゃ……。それになんで名字みたいなのが2つある…。)
と思いつつ四時間目。
四時間目はもう時間が足りないからという訳で、残の先生を横並びにいっきに紹介された。
4人が横にならんで、
「私は国語で趣味は魚釣りで近藤です!」
「私は社会で趣味は睡眠とかで名前はスパイラル磯田です!」
「私は英語でジェームスブラックだ!」
「私は教頭のハゲで臭くてチビの三拍子そろった三拍子西岡だ!」
と早口に言われて四時間目は終わった。
給食、昼休と終わり、5時間目がやってきた。
一同は体育館に集まっていた。
「はい、この時間部活決めをしてもらいたいと思います。」
と三拍子西岡が言った。
(お、この状況は中学の時にもあったぞ。)
先輩方とオレら一年が向き合っている。
そして、いよいよ長ったらしい部活紹介がはじまった。
「私達は愚痴部です。日々嫌いな奴の愚痴をいいます。」
「私達はち〇こ部です。とくになにもしません。」
「私達はやばい部です。どうやばいかは私達にも分かりません。」
「私達は殺人部です。かといって殺す事もできないので何もしてません。」
「私達はさぼり部です。さぼることが目的なのでもはや部活じゃありません。」
その後もだらだらと訳の分からない説明が続いた。
オレは唯一、まともだったテニス部に入った。
不良で、同じクラスののしげやましげるもテニス部に入ったようだ。
その日の授業は終わって、オレが靴箱に立っていると、
「よ。」
またしげるに話しかけられた。
—赤く燃えるおてんとうが川に映えている。
そんな中、こないだのように堤防をチャリを押しつつ歩いていると、
「あ、ヒライ!ヒライじゃん!」
「あ、スカラベ!」
話しかけて来たのは、中学の時とき仲の良かったスカラベリョウタだ。
「もしかしてお前あの社会ていにおさまりきれてない……。」
スカラベは長い学園名を息をきらしながら途切れ途切れになりながら。
「の生徒なの……?」
と聞いてきた。
「あ、あぁそうだけど…。」
オレが恥ずかしそうにそう言うと、
「奇遇だなぁー!僕もなんだよ。」
「えぇぇー!?」
オレとシゲルとスカラベは一緒に歩きだした。
「スカラベは何部に入った?」
「あぁ僕は愚痴部。」
オレとシゲルはへぇーっと気まずい顔でさらっと受け流した。
「そちらの方は?」
スカラベはシゲルのしかめっつらに気を使いながら聞く。
「あぁ、コイツはオレと同じクラスのシゲル。不良っぽいけど大丈夫だよ。」
聞くとスカラベは一年E組らしい。
シゲルもスカラベと打ち解けたみたいで、オレたちは解散した。
オレは赤い暮色を背景にとぼとぼ帰るのだった。
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