Scene20 摩天楼に灯る夢色の門灯

 アメリカ・ニューヨーク


 行ったことはない

 見上げたこともない


 いつかはと憧れる風景


 50000個のLED

 色とりどりの電灯ライト

 夢や希望に彩りをつけたらきっとこんな色になる

 おびただしいほどの灯りの数

 その電球の全長はマイル単位

 煌びやかな衣装をまとうのは樹齢90年のオウシュウトウヒと呼ばれるモミの木


 ニューヨークのロックフェラーセンター

 1930年代からの恒例行事のクリスマスツリー


 今年のモミの木の高さは29メートル

 70階建てのビルの足元を飾る

 サンクスギビングの翌週から年明けの公現祭までNYの摩天楼の門灯となる

 門灯の尖端にはスワロフスキークリスタルの星が輝きを放つ

 電飾のみのシンプルな飾りつけはその優美さや荘厳さを引き立たせる


 ツリーのつま先にはこれも有名なスケートセンター

 半地下にあるリンクとプロメテウスの黄金像を見下ろしながらツリーから遠ざかる

 ほどなく地上からはスケートセンターは見えなくなる

 5thアベニューへ向かうアプローチの両側に白く輝く天使像

 細長いラッパで鳴らし告げているのは神の祝福だろうか

 整備されたグリーンガーデンに佇み

 奥のツリーを守るかのような天使達


 この世界一優麗なモミの木を見上げて

 心が浄化されるといい


 憎しみとか妬みとかひがみとか

 人が持つ卑しいものが消えていくといい


 ここから立ち去るときは

 温かみや優しさだけを持って帰る


 いつか見上げて見たい

 天使の見守る幸せの象徴



【描写した場所】

 アメリカ合衆国・ニューヨーク・ロックフェラーセンター


 ※参考文献 Wikipedia

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