Scene18 青と黄金の授賞式

 スウェーデン・ストックホルム


 日本人の市役所、区役所に持つイメージは全国どこに住んでいてもさほど変わらないだろう。

 必要な手続きのために出かけるところ。

 自分の住む役所の建物をすぐに思い描けるだろうか。

 最近建てられた建物で以前よりはデザイン性にすぐれた建物もありはするだろう。


 それでも世界中の観光客が訪れる市庁舎などおそらくこの都市くらいだと思われる。


 スウェーデン・ストックホルム市庁舎。


 1年で1日、必ずここからのニュースが世界中に流れる。

 12月10日。

 ノーベル賞晩餐会会場として。

 この日はこの賞を創設したアルフレッド・ノーベルの命日である。


 授賞式はストックホルム・コンサートホールで行われるが、その後の晩餐会とダンスパーティーの会場が市庁舎である。


 これが市庁舎かと疑う豪華さ

 「青の間」が晩餐会会場

 「黄金の間」がダンス会場


 外観は煉瓦作り

 メーラレン湖に面しており角の塔が特徴的

 濃いブルーの湖面に煉瓦色の建築物が映える

 北欧の湖の街の美しい市庁舎


 蔦の絡まる中庭から内部に入ると吹き抜けの広い空間

 L字型の階段がこの1階と2階を結ぶ

 ここが「青の間」

 ノーベル賞受賞記念晩餐会会場

 受賞者とそのパートナーは

 スウェーデン王室の王族の方々のエスコートでこの階段を下りて会場へと登場する

 先頭はスウェーデン国王と受賞者、もしくはパートナー


 余談であるが現国王カール16世グスタフ国王はシルヴィア王妃に1週間で合計1000本のバラを贈って求婚したそう


 階段を下りきったところにディナーテーブルが並べられる

 見学ができる普段はテーブルもなく、ある程度の広さであるが

 1000人を越す招待客がここでディナーをいただくと想像すると狭いように思える

 ちなみにここの名称は「青の間」であるが特段青の装飾は見られない

 壁は煉瓦で床や階段は大理石だ


 晩餐会後に行われるダンスパーティーは同じ建物内の「黄金の間」で行われる

 こちらの広間はまごうことなき黄金色

 正面の壁には建物が面しているメーラレン湖の伝説の女王がモザイク画で描かれている

 窓の周りをアーチで縁取る壁も黄金のモザイク

 照明がさらに広間を輝かせる

 煌くダンス会場


 夜遅くまでパーティは続き、受賞者の偉業を讃える


 世界中が認める権威ある賞

 世界中の研究者が受賞を夢見る

 この市庁舎のあの階段を下りる自分を想像する研究者もいるだろう


 世界中から羨望の眼差しを向けられるそこは市庁舎

 人類の英知が集う

 夢と誇りの広間

 憧れの市庁舎



【描写した場所】

 スウェーデン・ストックホルム市庁舎

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