Scene11 黄金の階段の行先

 西オーストラリアBroome、ケーブルビーチ


 空は上空は青から群青色。

 水平線近くの空は茜色。

 茜色と青のあいだに黄金に輝くところ。

 薄い墨汁に浸したような色の雲が空一面に散っている。

 その雲たちはまるで生き物のようにその黄金に近づこうとしている。

 おそらくその黄金のところが沈みゆく太陽の位置。


 アトラクションとしてこの夕景をバックにキャメルライドができるそうだ。

 潮の引いた海岸を隊列を組んで進むキャメルライド。

 写真としてはキャメルも乗っている人々も逆光で暗く影になってしまうのだが、

 その彼らが息をのんでいるであろう空と海の絶景とのコントラストは素晴らしい。


 そしてこの街にはもうひとつの素晴らしい絶景がある。


「月への階段」(Staircase to the moon)


 聞いたことはおありだろうか。


 空と海の境はすでにない。

 漆黒の空と海だ。

 その暗闇に燦然と光を放つ神々しいまでの月。

 天から授かった黄金色の影が海へと映し出される。

 影となっても輝きを失わないそれは金色の長い長い筋となり、

 その筋を地上の波が区切り、階段を形造る。


 もちろん常に見られるわけではない。

  満月(の前後数日)であること

  干潮であること

  晴れていること

 等々条件を満たさねばならない。


 こんな絶景を見られたら、

 どんな感情を抱くのだろうか。

 もしくは何も考えられないのだろうか。


 叶えてみたい夢がひとつ増えた。



【描写した場所】

 オーストラリア・ブルーム・ケーブルビーチ(キャメルライド)、ローバック・ベイ(月の階段)

 

 ※参考文献

 365日 世界一周 絶景の旅   いろは出版

 www.flickr.com

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