彡(^)(^)「おっ。娼館やんけ。パコパコしたろ。」

彡(^)(^)「ええわぁ。フォトショ詐欺ないってええわぁ。めっちゃ可愛いわ。若いし最高やで。また来るで!」


 冒険者稼業も板についてきた。

 この町での生活も慣れたもので、ギルド支部ではちょっとしたルーキーとして有名人だ。


彡(^)(^)「俺は学ぶ漢や。ちやほやされたって慢心せえへんで。堅実に稼ぐやで。」


 採取する薬草は事前に薬師の元へ足を運び、薬草の特徴や、採取する際の注意点などを細かに聞き取りする。

 討伐対象のモンスターに関しても、ベテラン冒険者に話を伺い、イメージトレーニングも欠かさない。

 慎重すぎる。ビビり野郎。

 そんな言葉を耳にしたが、命あっての物種だ。

 命を懸けるのならば、このくらい慎重に行動して当然だろう?


彡(^)(^)「よっしゃ。明日も頑張って稼いで、またパコパコしに行くで!」


 冒険者は儲かる。

 これは転生前から聞き及んでいた通り、本当の事であった。

 やはり自らの命を危機にさらして稼ぐ分、報酬は高額だった。

 リタイアする者や帰らぬ人となることが多いというのは予想外だったが。


彡(゚)(゚)「そういえば、アイツ。二日前に出て行ったっきり戻ってこーへんな。出かける前に死亡フラグなんて立てるからやで。迂闊なやっちゃなー。」


 この町で借りた部屋。

 水魔法による水洗トイレが備わった非常に高価な部屋だ。

 ウォッシュレットは搭載されていないが、汚物が流れて見えなくなるというのはやはり画期的だった。


彡(^)(^)「金は天下の回り物や。使って回さな! 肥溜めの臭いが漂う部屋じゃゆっくり眠りも出来ん! 飯もマズなる! 衣食住には金掛けなあかん!」


 これで俺も転生成功者の仲間入り。

 そう感じずにはいられなかった。

 転生してから5度目の生を受け、ようやく手に入れた安寧。

 安定した生活というものがいかに大切なのかを俺は学んだ。

 部屋に籠っているだけで、扉の前にご飯が置かれる現代の自宅とは大違い。

 働かなければ飢え死に、働いていても死ぬことすらある。


彡(゚)(゚)「きつい世界やで。せやけど、その分充実しとる。全部0からスタートしたさかい、今の生活は実力で築き上げたもんや。ワイ一人の力で築き上げたもんや。やっぱワイはできる漢やったんや。」


 毎日、良い気分で眠りに付ける。

 こんな事がこれほどまでに幸せなことだとは思いもしなかった。

 翌日も、翌々日も俺は毎日採取に討伐に精を出し、夜は女たちと共に、文字通り精を解き放ち、非常に充実した日々を過ごしていた。

 変調が訪れたのは、そんな生活をひと月も繰り返したころだろうか。


彡(゚)(゚)「なんや今日は体の疲れが取れんなあ。昨日パコパコしすぎたのがあかんかったか?」


 妙に重い肩回りと腰回りを揉み解しながら夜の街を歩く。

 ほろ酔い気分のまま、足はいつもの娼館へと向かっていた。


彡(^)(^)「せやけど、この程度の疲れで止めるほどワイの意思は弱くないで! 今日もホムホムちゃんにワイのムスコを元気にしてもらうわ! ホームゥーちゃーん。指名やでー!」


 顔なじみのボーイに挨拶してお気に入りの嬢を指名する。

 いつも通りのやり取りだった。

 ただ、今日は少し変わった出来事が起きた。


「いつも贔屓にしていただきありがとうございます。申し訳ありませんがホムゥーの方は本日急に体調を崩しまして欠勤しております。申し訳ありません。」

彡(゚)(゚)「さよか。そりゃ残念や。体にきーつけや、と伝えておいてくれ。ほならサヤゥーカちゃんを指名するやで!」


 丁寧な接遇に気を良くして待合室でしばらく待機する。

 ほどなくしてお呼びがかかり、お目当てのサヤゥーカちゃんに案内されて部屋に入った。


「いつもありがとね♪ 頑張るから気持ちよくなってね!」

彡(^)(^)「ワイも頑張るで! お互いええ夜にしような!」


 そしていつも通りズボンを脱ぎ散らかし、いざ勝負! と気合を入れた瞬間、サユゥーカちゃんが悲鳴を上げた。


彡(゚)(゚)「なんやなんや。ワイのムスコがデカ過ぎてビビっとるんか?」

「た、大変! は、早く薬師様をよよよばないとととと!」


 こちらの股間辺りを指さして悲鳴を上げるサユゥーカちゃん。

 その指先につられて視線を自身の股間に持っていく。

 そこで目にしたのは、目を疑うような光景だった。


彡()()「わっ!? ワイのムスコが! おおお○んこが大変なことにぃぃぃぃいいいい!?」


 股間から延びる、そこにあるはずの男性器は変わり果てた姿をしていた。

 亀頭が尿道口に沿って真っ二つに裂け、ズラリと並ぶのはサメのように鋭い牙。

 陰茎体、要するにサオの部分には、警戒色のようなオレンジと黒の斑模様が現れていた。

 まるでジョイスティックのように縦横斜めにうねうねと動き回る己のムスコに半狂乱に陥る。


彡()()「なんじゃこりゃぁぁぁぁああ!!」

「せ、性病よ! は、早く薬師様を呼ばないと命に関わります!」

彡()()「性病!? なんでもええねん! とりあえずこれをどうにかしてくれええええ!」


 自分の意思とは無関係に動き回るムスコは一度ピタリ、と動きを止めるとこちらの顔を見上げるようにゆっくりと反り返る。

 牙が並ぶ口のような亀頭と目があった、ような気がした。

 そして、ニタリ、と亀頭は笑みを浮かべる。

 次の瞬間、亀頭は俺の腹に噛みついた。


彡()()「はぎゃぁぁあああああああん!! 食いつきおった! ワイのムスコが謀反起こしおった! ここがワイの本能寺か!?」


 ムスコはその可動範囲内の皮膚に噛みつき、肉を引きちぎり、腸を引きずり出す。

 終いには根元から千切れ飛び、食い破った腹から体内へと侵入した。


「ああっ・・・間に合わなかった。」


 ムスコが体内へ姿を隠すと同時に、勢いよく駆け込んできたサヤゥーカが床に崩れ落ちる。

 彼女の後ろからはいつも薬草採取で贔屓にしてもらっていた薬師が駆けつけ、その凄惨な光景に目を見開いていた。

 体内を食い破られる激痛に、当の昔に意識は喪失していた。

 内臓を食い破られ、電気信号が筋肉を痙攣させ、食い破られた皮膚から暖かな血が床に広がっていく。

 命の灯は急速な勢いで明滅を繰り返し、そしてぷつり、と消えた。






彡(-)(-)「・・・・・・・・・。(なんちゅう恐ろしい性病なんや。こんなんがあることしっとったら不特定多数とパコパコなんてしてへんわ! 次は処女しか相手せえへんで! まったく! せっかく生活基盤整えたのがパアや! 次はさっさと嫁さんもらって結婚するで!)」



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