彡(^)(^)「おっ。町やんけ。冒険者登録せな。」

彡(゚)(゚)「え? 通行証? 無いでそんなもん。 え、入場料? 金とるんか!? さっきこっち来たばっかやさかい金なんてあいた! 蹴りおったでこいつ! それが市民に対す」


 すらり、と守衛が腰の長剣を抜いた。


彡(^)(^)「お世話になりましたー」スタコラサッサー


 町はぐるりと壁に囲まれている。

 町を中心として放射状に延びる道路の周辺は畑地となっており、大勢の人間が働いていた。

 鉄の格子を上げ下げして開閉するタイプの扉があり、そこが町へ入れる唯一の入り口のようだ。

 しばらく人の出入りを眺めていると、金を払う者と木の板を守衛に見せる者がいることに気が付く。


彡(゚)(゚)「通行証は、あの首から下げとる札か。木製っぽいし、自作できそうやな。」


 だが待ってほしい。

 過去、ドラゴン、ゴブリン、スライムと戦った俺だから言える。

 偽造はやばい。


彡(゚)(゚)「どうせ何か判別方法があるに違いないで。そうでなければ、ただの木板が通行証なんかになるわけがない。これは罠や。」


 偽造がダメなら残す手は一つしかない。

 門から離れ、周辺にある畑の畔を歩きながら俺は口元に笑みを浮かべた。


彡(^)(^)「通行証は基本的に首からプラプラさせとくんやな。ただ、無い奴もおるし、そいつらはどっかに置いとるんやろ。あんなもんプラプラさせといたら仕事の邪魔やろうしな。そいつらの分をちょっと拝借するで。借りるだけやから堪忍な。」


 自然体を装い畑仕事をしている人の間を歩く。

 時々笑顔で挨拶をしてくる彼らに手を振りつつ、目的のブツを探して回った。


彡(^)(^)「見つけたで! 予想通りや!」


 木陰で数人の男たちが寝ていた。

 大きないびきをかいて仰向けに寝転がる彼らの近場に、草で編み込んだ籠がおいてある。そこには通行証が無造作に突っ込んであった。


彡(^)(^)「こういうのはビビったら負けなんや。気が付かれたら堂々とすればええんやで。」


 ぐーすかいびきをたてる男たちにこっそりと近づく。もちろん周辺を確認するのも忘れない。

 爆睡している男たちが起きる気配はない。

 籠から一枚の通行証を取り出し、ゆっくりとその場を後にする。

 すぐに首からそれを下げ、先ほどひと悶着あった門とは別の門へと移動した。


彡(^)(^)「やっぱりや。なんや木板に模様が彫ってあるで。流石俺や。冴えとる。」


 町へ入る人波に交じり、前の人と同じように首から下げた木板を守衛に見せる。

 守衛はほとんど流し読みしているようだったので、気が付かれることは無いだろう。


 そう思っていた。


「おい。ちょっと待て。」

彡(゚)(゚)「ふぁっ!?」


 がっしりと肩を掴まれた。

 ビビったらあかん! と心中で叫び、努めて冷静に振り返る。

 二メートル近い身長から威圧的な目で見降ろされる感覚に、思わず心が折れそうになるが、ぐっと堪えた。


「その通行証はお前のか?」

彡(゚)(゚)「そんなん当たり前やろ。今朝出るときからずっと首にぶら下がっとるわ。」

「そうか。」


 守衛は俺の肩からゆっくりと手を下し、首から下げた木板の模様をこちらに見えるように持ち上げた。


「年齢が24となっているのだが、これはお前の親父のやつか?」

彡(゚)(゚)「せせせやで! 俺の親父のや!」


 ガチャン、ガチャンと鈍い音を立てて他の守衛が集まってくる。

 俺の背中には冷たい汗が噴き出していた。


「お前、年はいくつだ。」

彡(゚)(゚)「じゅ、16やで。」

「成人か。それは・・・ご愁傷さま。」


 次の瞬間、俺は地面に転がっていた。

 守衛が足払いを掛けたのだ。ものすごい速さで。

 両足が宙に浮き、背中から地面に倒された俺は、げほ、と咳き込んだ。

 

「お前の親父はずいぶん早い時期に子供を作ったんだな。24歳で16の息子か。8歳の時に子供を作ったということか。これはびっくりだな。まだ種も出来てないだろうに。」

 

 それを聞いたほかの守衛が笑い声を出す。

 見上げた守衛は今まさに腰の剣を抜くところだった。

 

「通行証の窃盗は重罪。15を過ぎた成人は死罪。犯罪者に死を。法の裁きを。己の愚かさを恥じて、死ね。」


 躊躇などこれっぽっちもない。

 守衛から紡がれる呪文のような言葉。

 きらりと光る銀の刃は右から左へ、皮膚を破り、骨を叩き折る。


 俺の首が宙を舞った。


 赤い赤い飛沫をあげて。








彡(-)(-)「・・・・・・・・・。(未だに町にも入れんやんけ! この世界はクソゲーや!)」クビチョンパー



---コンティニューしますか?---


   ニア はい

      いいえ



彡(-)(-)「・・・・・・・・・。(可愛いおにゃのことパコパコするまで絶対帰らへんで!! こうなったら意地や!)」

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