彡(^)(^)「おっ。スライムやんけ。潰したろ。」

彡(^)(^)「なんやこいつ。近づいても反応しーへんで。草食っとるんか?」


 草原の上を漬物石ほどの大きさのスライムが微速前進していた。

 色は緑色。透過度はそれほどない。結構濁っている。

 スライムの通った後には少しだけ背丈の縮まった草が残っている。


彡(゚)(゚)「草の先っちょだけ食っとるんか。鹿みたいな奴やな。」


 スライムは雑食であり、動物の死体などを溶かして食べている思っていたのだが、どうやらこの世界のスライムは草食系のようだった。

 腰のナイフを取り出し、切っ先でスライムを突いてみると、先ほどよりも少し早い速度で移動を開始した。


彡(^)(^)「なんやこいつ。何にもしてこーへんぞ。」


 ナイフで切り付けようと腕を振り上げて、そこで動きを止めた。

 ゆっくりと腕を下す。


彡(゚)(゚)「いや。待て待て。俺は学ぶ漢や。ゴブリンのこともある。ナイフで切って分裂して数が増える、なんちゅうことになると面倒や。お約束なら核的な何かがあるやろうし、そいつを一撃で粉砕せな。」


 ずるずると動いていくスライムを追って、その体内を良く見渡す。


彡(゚)(゚)「濁っとって良く分からんな。」


 ナイフではなく、近場にあった太くて固そうな草をちぎって、その茎の部分をスライムに突っ込んだ。

 中をかき回すようにぐるぐる回すと、スライムは時々びくんびくん、と体を揺する。


彡(^)(^)「お? ここがええんか? ここがええんか? 激しいのが好きなんか?」


 ぐりぐりと茎をしばらく動かす。時々スライムの体内に少しだけ固い物体があることに気が付いた。


彡(゚)(゚)「・・・阿保やっとる場合か。たぶんこれが核なんやろうな。ただ、見えへんし、どうやって・・・・おわぁぁあっ!?」


 慌てて手を放す。

 突然草を握っていた右手に熱を感じたからだ。

 慌てて掌を見ると、右手の皮膚は焼けただれたように捲れあがっていた。


彡(゚)(゚)「なんやこれ! なんやこれは!」


 徐々にビリビリとした痛みが始まり、指先の感覚がなくなる。

 スライムをほっぽり出して、近場の川に走り寄り右手を水につける。

 手首の感覚がなくなってきた。


彡(゚)(゚)「ダメや! あかんでぇ! 撤退や!」


 走った。

 俺は学ぶ漢だ。この世界は甘くない。

 不測の事態が起こった場合は即逃げる。これがこの世界で生き残る鉄則なのだ。


彡(゚)(゚)「あかんあかんあかん! 右腕が全く感覚あらへん!」


 何が原因だったのか。

 よく考えてみれば、右手の手の平が触れていたのは、あのぶっとい茎を持つ草だ。

 あれが原因ではないのか。

 地球にも皮膚に触れただけでカブレる草木というのもあった。

 きっとあの草は毒草だったのだろう。

 それを知らずに長時間握りしめ、スライムいじりに興じていた結果がこれだ。


彡(゚)(゚)「阿保やろ俺! 流石にスライム虐めてて毒草で死にました、はカッコ悪すぎる!」


 そこから先はあっという間だった。

 右肩の感覚が無くなったと思ったら、右半身の感覚が鈍くなった。

 右足が重くなり、足が上がらなくなる。

 地面に転がる。

 立ち上がろうとするが、左足も感覚が無い。

 視界がぼやける。

 表情筋が麻痺し、こわばった表情が次第に蕩けていく。

 瞼が自分の意思とは関係なくゆっくりと落ち、視界が暗闇に染まる。

 とくん、とくん。

 鼓動が聞こえる。

 その鼓動の感覚が徐々に広がっていく。

 ゆっくりと、一泊毎に次の鼓動の訪れが遅くなる。

 そして





彡(-)(-)「・・・・・・・・・。(もう、帰ろうかなぁ・・・。)」ヤスラカニネムレー



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彡(-)(-)「・・・・・・・・・。(・・・もっかいやるか。)」






---コンティニューしますか?---


   ニア はい

     いいえ

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