未来からの視点を活用する

 現在の自分を未来あるいは過去から見る方法も場面によってはうまいやり方になります。

 例えば、電車のダイヤが乱れていて予定通り電車が来ないのでホームでイライラしている時などに、少し時間が経った後、家に着いて今の自分の状況を想い出している場面を思い浮かべます。

 その場面で未来の自分は「どうせ、ちょっとは遅くなるかもしれないけど家に帰れるんだから、あの時イライラする必要はなかった。適当に新聞を読むとか、携帯でニュースを見るとかして、平常心で過ごしていればよかった」と振り返っていることでしょう。

 そういう視点を活用すると、電車が時間通り運行していなくてもそんなにイライラしないですみます。

 未来だけでなく過去からの視点を生かす方法もあります。

 上記の電車が予定通り来ない場合に、その日の朝起きた時の自分が「今日は電車が来なくてイライラする日になる」ということが予知できたとします。

 そして、「朝起きた時の自分は今の自分をどう思うだろうか」と考えます。

 すると、「別にそんなことぐらいでイライラしたってしょうがないのになあ。まあ、その場面になるとそうもいかないのかな」なんて思うだろう。と推測できることによってイライラが収まってくるかもしれません。

 やや極端な視点ですが、生まれてきたばかりの赤ん坊の自分とか、死ぬ間際の自分などから今の自分を見つめる方法もあります。

 オギャーと生まれてきた時に、「吾輩は、人生において電車が来なくてイライラすることを経験するであろう」なんていう思考を巡らせていたのだと考えると、けっこうイライラがおさまってきそうです。

 あるいは、死ぬ間際になって「私の人生において、電車が来なくてイライラしておる場面があったことだなあ」と感慨にふけっているのだろうかと思うと、イライラしている自分が可愛く思えるかもしれません。

 これらの視点は、失恋・失業・離婚・身近な人の死など人生の一大事の時に使うのが合っているようにも思われます。でも、心の使い方の練習・人生の一大事が起きた時にうまく対応するための予行演習として、電車が時間通り来ない等の日常生活のちょっとしたことで使ってみるのはいいことだと思います。

 こうした時間的に少し、あるいはたくさんずらした場面からの視点で自分を見る方法にもいくつか種類があり、それぞれいいところがあります。

 自分にあったやり方を見つけましょう。

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