翼が傷ついていて変な飛び方しかできないと考える

 前の項目の続きなのですが、「煩悩がどうのこうの」というのは、「仏教用語が出てきてちょっとひっかかるなあ」と思う人もいるかもしれません。

 そういうタイプの人は、「あの人は翼が傷ついていてああいう飛び方しかできない人なんだ。本当は可哀そうなひとなんだなあ」という言い方でもいいと思います。

 「煩悩」と「翼の傷」ではずいぶんとニュアンスが違っています。雰囲気はかなり違いますが、でも、相手の心理的弱点について考えている点では似ています。

 心が傷ついていて、おかしな行動をとってしまう人は、羽が傷ついていておかしな飛び方をする鳥に例えるとわかりやすいと思います。

 人間は心が傷ついていても生きていかなければなりません。あまり心が傷ついていない人から見ると変てこりんではた迷惑な生き方に見えることが多いのですが、その人にとってはそれ以外の生き方はなかなかできないのでしょう。

 他人のとるはた迷惑でおかしな行動もそれなりに理由があり、その人自身の傷ついた心と環境を適応させるために仕方なくそうなってしまうということが理解できると、他人の行動に対していたずらに怒ったりイライラすることが減っていきます。

 なお、心が傷ついていて一風変わったおかしな行動をとる人の中には、○○パーソナリティ障害という名前がつきそうな人がけっこういるようです。

 パーソナリティー障害は、まだまだ研究が進んでいなくて仮説にすぎない部分が大きいと思いますが、ネットで検索するといろいろと出てくるし、精神科医や心理学者が書いた本もいろいろあるので、興味がある人は研究してみると役にたつかもしれません。

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