完璧主義を克服する

 仕事など完璧にやらなければならないこともありますが、すべてのことを完璧にやることはできません。完璧主義者はできないことをやろうとしている人です。

 完璧主義者は、不完全で無価値な自分に陥ることへの恐れと軽蔑を抱いていて、完璧でないことに対し、強い怒りや挫折感を覚えます。そのため、どうしても「イライラしやすい」「心が折れやすい」ということになってしまいます。

 完璧主義の背後には、「全か無か」という二分法的な思考があり、「失敗は成功の反対で、どこまで行っても失敗でしかない」という考え方にとらわれています。

 しかし、現実はそういうふうに単純なものではありません。「失敗は成功のもと」ということわざがありますが、失敗が次の成功を生み出すこともあれば、成功体験にとらわれ、そのために失敗が続いてしまうこともあります。

「失敗と成功は言葉の上では正反対のことを言っているようにも聞こえるが、本当の意味では正反対のことを言っているわけではない。失敗と成功は連続したもので、お互いにお互いを必要としているひとつながりのものの違う側面に過ぎない」

 という統合的な広い視野が必要です。

 こうした統合的な広い視野があれば、「失敗続きでも、いや失敗続きであるからこそ、そこに成功の準備が進行しているのだ」と考えることができます。

「うまくいかないことがあるのも、それはそれで人生の醍醐味。失敗や苦労の中にも楽しみがある」

 という考え方を身につけるのは、自分で意識的にそう思うだけでできます。

 もちろん失敗を反省し、失敗の原因を考えることは大切ですが、うまくできなかった時にも、その中からよい点を見つけて自分で自分を褒めることが大切です。   

 一時的に完璧主義を克服するのは、実はそんなに難しいことではありません。自分の考え方ひとつでできてしまいます。

 もちろん、それを長続きさせるためには。完璧主義の克服を何度も繰り返す必要があります。時々「完璧主義に陥っていないか」と自分の心に尋ねてみることが大切です。

 そのためには、「人に頼る」「手帳や携帯電話などを使う」等の必要があります。

 人に頼る方法というのは、配偶者や恋人とか友人など適切な人に「自分はこうこうなので、時々完璧主義に陥っていないか注意してほしい」と頼んでおくやり方です。

 手帳を使う場合は、年度末などに新しい手帳を買ったとき、1月~12月の各ページ等に「完璧主義を克服しよう」などと書いておいて時々見直すようにします。

 携帯電話を使う方法というのは、予約送信を使って自分から自分にメールが届くようにしておいて、「完璧主義を克服しよう」等の言葉が過去の自分から現在の自分に送られてくるようにするやり方です。送られて来たら、また1か月後など一定期間後に送るように毎回更新していきます。   

 いろいろな方法がありますがそれぞれ一長一短で、複数のやり方を併用する方法もあります。三日坊主でもいいからそれを何回も繰り返すための工夫・システムが大切です。

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