同じ名前の弾でも弾頭重量などで飛び方は変わる

例えば45口径の拳銃弾が2つあるとします。同じ銃、同じ環境、同じ条件で撃ち出したのに片方は遠くの的を狙い撃てましたがもう一方は途中で力尽きて地面に落ちてしまいました。

これは魔法的なアレでズルしたとかそういう話ではなく、実際に起こり得る話です。ではなぜそうなったのか、というのに弾頭重量を含め様々な条件が関係しています。


まずなによりも、製造メーカーによって性能に違いが出るのは当たり前です。その辺で売っているティッシュですらお鼻がセレブなやつと箱積み安売りされているのでは触り心地や使用感が違うでしょう。弾薬も同じです。出来の良し悪しも含め。

全てではないかもしれませんがメーカーによっては競技用など仕様を変え、同じ口径の弾でも弾頭重量や材質等を変え様々な用途に合わせた銃弾を製造しているのはそれほど珍しいことではありません。特に大手のメーカーとかは性能を変えた同じ弾を数種類用意してるのが一般的だと思います。

これが同じ名前の銃弾でも性能がばらつく原因です。


で、今回の主題となる弾頭重量という言葉です。飛んでく部分の弾丸の重量ですね。これが違うと何が変わるのかというと、例外もありますが基本的に軽い弾ほど速く遠くへ飛びます、そして重い弾ほど遅くあまり遠くへは飛びません。あくまで大体は、です。使う銃だとか弾頭形状だとか弾頭重量以外の条件でこの辺は変わってきますから。

じゃあ軽い方がいいじゃん!と思われるかもしれませんが軽いということはそれだけ風に流されやすくもあり、着弾時に与える衝撃も重い弾よりは小さくなる場合があります。使う状況、使用用途によって銃弾は選びましょうということです。

以前この資料でも書きましたが、専門誌とかで銃を使った検証の記事に使用した銃弾の口径だけでなくメーカーや弾頭重量などが詳細に記載されるのはこういうことがあるからですね。正確にデータを取るなら銃本体だけでなく使用した銃弾も分かるようにしとかないといけないのです。同じ口径ならどの銃弾でも同様の結果が出る、と誤解させてしまいますからね。


また、これだけが弾丸の性能に関係するというものではなく、弾頭重量に加え弾頭の形状や中に詰まっている火薬でも銃弾の精度や飛翔距離など特性はいくらでも変わりますから、弾頭重量はあくまで弾丸そのものの性能を変化させる条件の一つ、として覚えておいてください。

加えて銃本体の性能も射撃には影響してきますから、同じ弾を揃えても撃ち出す銃が違えば銃身の長さや作動方式によって銃弾の弾道や威力は変化します。ここが銃の難しいところですが、最適を求めるなら用途に合った銃と銃弾が必要になる、てことですね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る