VRMMO及び異世界での銃の扱いについて

 今回はちょっと異色となりますが、VRMMORPGや異世界で銃が出てきた時の注意点などを書いていこうと思います。


 最初に、VRMMOですが、まあゲームですね。ちょっと私もその手のゲームあまりやったことないので拙い説明になってしまいますけど、そこはどうかご了承ください。


 まず、ゲームですから当然現実世界とは違う、ゲームであることを前提として銃のあり方を考えていかなければなりません。

 

 例えば、そのゲームは銃だけしか出ないのか、銃の他にも刀剣が存在するのか。これだけでも注意すべき点は違ってくると思います。

 刀剣の類が存在する世界観なら、まずゲームですから不平等が生まれてはいけません。

 銃の圧倒的な超射程、そこからのアウトレンジ攻撃、剣を持った人の射程外から一方的に銃撃を加えて倒せる、なんてことになれば銃を使うジョブ……と言うんでしょうか、そういう職業だけが有利になってしまいます。

 なにかしら、近接武器が有利になるようなスキルや装備品がないとだめでしょうね。魔法使いだって、詠唱が必要なら同じ射程でも弾があればいくらでも撃てる銃の相手は難しいでしょう。

 

 逆に、銃だけしか存在しないゲームだったらどうでしょうか?

 自分が使うものが銃なら相手も銃です。なのでこちらは、銃の種類による得手不得手をより濃くして、なおかつどの銃でもある場面では優位に立つことができる性能を有している必要があるはずです。

 でもこれは、現実に準じた考え方で設定を考えればそんなに難しくはないでしょうね。


 あとはステータスとか設定の方でしょうか。

 例えば、銃に使用する弾薬と格納場所です。いくらでも持てるのか、それとも体につけたポーチ分しか持てないのか。

 いくらでも持てると、若干機関銃、さらに言えばミニガンあたりを持ってる人が非常に有利になってしまいそうですね。まあこういうのはレア武器とかの枠に入れてそもそも入手難度を高くすればバランスは取れるのでしょうけれど。

 それに弾の所持数に制限がないと、取り出す際にどうするかも問題ですよね。ポーチを一つつけて、リロードしてポーチから弾倉抜くたびまた生えてくるのか、メニューみたいなの開いて弾倉出すのか。


 ステータスも、いろんな武器がある世界ならいいですが、銃だけの世界だとどんなパラメーターを作るのかで困る場合もあるんではないでしょうか。 

 レベルが上がると銃の精度や射程が伸びる、とかはちゃんとした理由が考えられないなら銃だけの世界ではやめておいたほうが良いかもしれません。

 それだと、マークスマンライフルやアサルトライフルの射程がスナイパーライフルに追いついて連射できる狙撃銃みたいになりますし、逆にスナイパーライフルにその効果が適用されてはとんでもない射程を持ったものになってバランスが壊れちゃうと思いますよ?


 あとは、どの程度現実の概念を取り込むかですね。

 そうなると所持重量とか。重い銃や装備で何かしら移動制限がつくとか。こういうのもないと、高速移動する機関銃持ちが怖いと思います。

 あと弾種による効果の差異でしょうか。たくさんの銃があるなら、口径別で威力や射程が違うとかそういうのがないと、他と差別化出来ませんからね。

 あとは、故障するのかとか、環境による弾道の変化とかまで再現するのかとか。


 敵に対してのダメージの判定も重要になりますかね。

 部位別だとか、口径や弾種があるなら徹甲弾やホローポイントで別の追加ダメージが入ったりするのかとか。

 


 とまあ、ゲームに関することはこんなものでしょうか。

 次は、異世界での銃の扱いです。最初から銃の概念があるファンタジー作品、もしくは異世界転生か転移でやってきた主人公が銃の知識を持つ作品どちらにも通じる話です。

 

 最初からその概念がある世界なら、作れる技術もまああるでしょうしそんなに難しい話ではないかもしれません。

 ここで問題なのは、銃がない異世界に日本とかから転移や転生してきた主役が銃を作ったりして活躍する話の方です。

 とりあえずは、銃の製造から始めますよね。自分が使うだけ、みんなに使わせる。これだけでも扱いは違います。

 まず大量生産が必要なら、それに見合う資源、工場、人材の確保が必要です。魔法で一発、とかの諸注意は後ほどで。


 銃の製造に必要な資源が十分に確保できる世界なのか?まずそこを考えないと銃の製造は難しいでしょう。また、仮に材料は集められてもそれを製造する施設、それを稼働させるだけの人員を確保出来るだけの人望或いは権力といったものが必要になります。

 いきなり銃作って欲しいからみんな手伝って!なんて言ったところでやってくれる人はいないでしょうからね。

 しかも、魔法がある世界だったら魔法でいいじゃんってなるかもしれないので、魔法とは違う利便性があることを説得して伝えないといけませんし。

 自分だけが使うにしろ、最低限の資源と製造できる施設の確保は必要です。

 

 魔法で一発となると、どういう感じで魔法が銃を生み出してくれるかっていうのが問題です。簡単にイメージするだけでいいのか、記憶にあるものをそのまま出してくれるのか。

 内部構造や作動する様子をちゃんとイメージしないと駄目とか、そういう詳細な知識を要する魔法とかって設定すると、こういうのが一番問題になるんですけど意外に設計図とか図面だけ頭に入れてても道具ってのはどうにかなるものでもないんですよ。

 パーツ同士の関係性、パーツが動いた際に掛かる力と連動して何がどうなるのかとかまで把握してないと多分ガワだけ精密な置物が生まれると思います。

 俺機械いじり大好きなミリオタ!◯◯の設計図はネットで見たから頭にイメージすれば魔法で作れる!みたいなのは多分無理です。何年も分解整備して撃ちまくった兵士とかならまだ説得力ありますけど、少なくとも中高生、日本人とかだと厳しいと思います。

 なので、できるだけこういう魔法で作る系はぱぱぱっとお手軽イメージしただけで親切に中身まで正確に作っちゃいますよ、がいいと思いますよ。

 ファンタジーだとなんでも作っちゃう超ご都合主義鍛冶屋さんなドワーフとかいう便利種族がありますが、彼らだって知りもしない銃を作れと言われてできるわけ無いでしょうし、何かしらで知識を伝える必要があるのでこの場合は伝える人の知識が一からパーツ一つ一つ言えて形を伝えられるくらいじゃないと厳しいでしょう。

 これは資材集めて作る方にも言えることですね。十分な知識がないとまず作れませんから。

 

 あとは弾ですね。

 これも材料とかパーツが問題です。特に火薬や雷管部分ですね。

 魔法で解決してもいいですが、正直私は火薬や雷管作れる魔法あるならそもそも銃の構造変えて魔法で弾飛ばせるようにした方が早いんじゃないだろうか、とか思っちゃいます。火薬の代わりに強力な風魔法を薬莢に込めて、トリガー引くと魔法が発動して弾が飛ぶ、とか。これなら発砲音も火薬の臭いもしませんし。

 もし材料を集めて作るなら、消耗品ですから定期的に補給できないといけませんし、やっぱり雷管を作るのにそれなりの知識と技術を要します。

 中に込める火薬も弾に合った適切な量を守らないと暴発させてしまいますからね。


 あと異世界にはつきものの、魔物とかモンスターのことについてです。

 こっち世界でいう狼や熊、ワニやサメですね。

 動物もかなり強靭な体を持っていて、銃ではなかなか倒れません。それが架空世界のモンスターならなおのことでしょう。

 まず作品を作る際に、出てくる魔物の強さを決めて本当に銃が活躍できるのかどうか、それを考える必要があるかもしれませんね。

 ファンタジーの生物は得てしてみんな硬い鱗を持っていたりしますから。そういうの相手だと、銃は鉛の弾丸を飛ばすだけなのでちょっと不利なんです。

 数発撃ち込んで倒せるとかじゃないと、銃の有用性が薄れてしまいます。音が出ない弓やクロスボウのほうが優秀だとか言われてしまうかもしれません。

 

 まあ銃も徹甲弾とかありますから、弾頭を変えるという要素を入れることも選択肢の一つです。あとは魔法で弾を強化するとか。

 ファンタジーですから、架空の世界だからこそできる要素を使って乗り切るのも一つの手でしょうね。

 参考になるかはわかりませんが、私のファンタジー作品では銃が量産されている世界で、対人用の銃の他に30mmや40mmの徹甲弾とか炸裂徹甲弾を使う魔物専用の狩猟銃というカテゴリの武器が製造されているということになっています。大口径過ぎて人間が使えるわけ無いとかはファンタジーなのでこまけぇこたぁいいんだよ、です。

 

 

 こんな感じで。銃かっこいいから出したい!という気持ちはわかりますが、それでも出すには出すなりに後先考えずはやめてよく考えましょう。

 一度出してしまうと、他の武器や世界観を大きく崩してしまう要因となってしまうものですから。そして、銃は万能でもないですし。

 今回は思いついた分を書いただけですので、また似たようなのを書くかもしれません。多分これだけでは十分ではないと思いますので。

 どうか銃は用法用量を守ってお使いくださいね。

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